成り上がり

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40年前、知らぬが仏ということわざではないけど、どんな校風なのか全く知らぬまま入学してしまった我が母校。その後の3年間は、パンチの効いたヤンチャな人たちに、とても丁寧にご指導ご鞭撻いただき、骨の髄まで可愛がってもらわれながらも、なんとか卒業する日まで無事に辿り着いた。

やれやれこれで辛い思いとはおさらばだ。しばらくは意気揚々に過ごす。すると、このままでは堕落するような不安な気持ちになった。平凡にしていると下っていくようなマイナスな感覚に身をつまされる。そうか、知らないうちに鍛えられることに慣れていたのだ。平々凡々、ノンビリしていてはバチが当たりそう。あらためて縁あったのだと思った。「運命とは、もっともふさわしい場所へと貴方の魂を運ぶのだ」という格言のように、私が生きていくために必要な学び舎へ進んだのだろう。それ以来愛しくなって、ずっと母校のサッカー部を応援していたら、なんとOB会の名誉会員にしてもらい、自分にとって本当に良かったのだと噛みしめる。

そんな防府市は青春の日々をいくつも刻んだ土地。今も懐かしい道を通れば、あの頃のことが鮮明に蘇ってくる。しかし、駅前は大きく変わってしまった。尖がった人たちがたむろした空間から、きれいに整備されて面影がなくなった。だけど、いつの日かメジャーになってやると、本気で考えている熱い人はたくさんいる。人生のプランを安全第一に進むより、夢へ向かって生きる人にとって住みやすい街だ。そう言えば高校時代、矢沢永吉のファンが多かった。昼休みにはタオルを首にして真似をする人もいた。社会に反抗的な風土にはロックロールが似合っている。そして、「成り上がり」という言葉が夢を広げていく。今日から始まる「りおたのスポーツ名場面集 2020」。この街からは伊集院静にしても、山崎まさよしにしても、いなせの野郎がカッコよく飛び出してくる。それに続けよ、りおたくん!盛会になることを祈っている!駅前に、アスピラートに、多くの人々をたむらさせよう!