言葉遊び

f:id:gallerynakano:20201021225856j:plain

昭和歌謡史に名を遺した作詞家 阿久悠氏の著書に「ユーモアと笑いとお笑いは、薬とナイフとトンカチほど違っているものなのだ」という一節がある。

いわゆる「ユーモア」とは、人の心を和ませるジョークやセンスのある言葉で笑いを誘う洒落のこと。それを聴いた人たちに明るい活力を与えていく。続く「笑い」とは、道化師が相手役と体を使ったギャグを展開するドタバタコメディのこと。他人ごとだと割り切って見るから笑ったりするけど、よくよく見つめてみると痛々しい内容だったりする。そして、最後の「お笑い」とは人を見下すような嘲笑や冷笑をネタにしたもの。毒舌なんて言われるとおり、マイナスのエネルギーを前面に出し、どこかヤスリのようなザラザラしている。そのうちに見ている人の正常な感覚が麻痺して、他人を平気でディスってしまうかもしれない。

さすが言葉遊びのプロの中のプロ。すべてひと言で的を射て、なるほどとうなずくことばかり。ものごとの真理を感じさせていくには、なぜという疑問を連想するものがいい。ちょっとした比喩は想像の父であり、思考の母として頭を働かせる。いつも日常の中にこの意識があれば、観るもの触れるものの興味が深まり、教養を高めて知識を豊かにするだろう。言葉の本質を汲み取って、ユーモアのセンスを磨いていこう!