パッション

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「成功するか否かは、その人の『能力』よりも『情熱』による。ためすべき仕事に身も心も捧げる人間が勝利者となるのだ」という格言がある。なるほど、たしかに言われてみれば、人は誰しも何らかの才能を持っている。その存在に気づいて伸ばすために取り組むことは難しくはない。しかし、その才能を磨き抜いて一流と言われる域に達することは簡単ではない。そこそこのレベルまでならいけるけど、とんでもないところまでやり切るには、先天的な素質よりも後天的な努力によって発揮される。だから理想へのゴールまでの道のりが長くても、いくつも越える壁があったとしても、情熱を燃やしてやり続けることが大切になるのだろう。

ところで、ただいま個展開催中の吉田朱里さん。10年前に彼女が芸術短期大学に在学中、超絶技巧の画家 吉村芳生さんが非常勤講師で教鞭を奮っていた。当時、吉村さんは長年積み重ねた努力が実って隆盛を極める。県立美術館での展覧会をはじめ、日本列島をまたにかけて大活躍していた。そんな時期にあった講義は国内外の第一線の現代美術について熱く語られてる。実際に吉村さんが目にしたアートを独自の批評と解説で学生たちを刺激しようとしていた。吉田さんの講義の感想は「勉強不足でよくわからなかった。だけど、先生の言葉は心に響いて大事なことだと思った」とのこと。これは以心伝心だ。しっかりと情熱がチャージされて、それが今の創作へ繋がっている。これからもその気持ちでやっていこう。大先輩と同じように情熱で伸し上がれ!