ピントとヒント

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「写真は『真を写す』と書くでしょう。あれでみんな勘違いしてしまった。本当は『光の絵』ですから、フォトグラフは『光画』と訳したほうが実は正しいのです」という写真家 下瀬信雄氏の言葉がある。

写真家はいつも決定的な場面を写そうとしている。いい被写体が来たっと思った瞬間、それを逃さずに撮りきるために感性を研ぎ澄ませている。その場の空気に忍者の如く溶け込んで自分の気配を消しながら、十分に近づいて距離なんかを合わせていく。写真そのものが一枚の絵画と同じように、さまざまな感性を刺激することを目指し、全神経をシャッターチャンスに集中させるのだ。

一昨日、親しいフォトグラファー君とひさしぶりに会った。真面目な話しから他愛もない話しまで、なんでもかんでも語り合って、心もハートも伸び伸びすることができました。彼の気配りはトークを円滑にするばかりでなく、私の個性を尊重してやればできると乗せるのだ。さすがいつも独自の視点で美しいものにこだわっている。大切なものにピントを合わせて、人生のヒントをくれるのだろう。