鍛える

ブロードウェイのオーディションに臨むダンサーとは、志す人の数に比べて残酷なくらい狭き門を突破するために、充分にトレーニングをして鍛えられた人たちのことだ。いわゆる夢の舞台に立てるチャンスは誰にでも平等にある。その中でアピールポイントを正確に理解し、求められる動きをしなやかにこなしながら、レベルの高いパフォーマンスを発揮していく。美しい表現力を身に付けた野心に満ちた面々が競い合って、厳しい関門をくぐり抜けてものだけが、華やかな舞台の上に立つことができるのだ。

そしてまた、美術家も同じようなもの。表舞台に立って活躍したいのなら、自分のスタイルを確立するために、絶対量のトレーニングが必要になる。個性的な技術とセンスを磨きながら、しっかりと基礎的な能力をつかみ、可能性を手に入れることが大切だ。その第一条件は美術へ情熱。どこまでも燃やし続けてやるしかない。どんなことがあっても、この意思があれば、自然と創作意欲がみなぎってくる。本気で美術家になりたい！この思いを羅針盤にして、創作の世界で生きていくのだ。