3人のレンガ職人

ソップ寓話の「3人のレンガ職人」とは、世界中を動きまわる旅人が、ある町外れの一本道を歩いていると、建築現場で働く3人のレンガ職人と出会っていく物語。旅人はそれぞれの職人と出会うたびに、「なにをしているのか」の問いかけたところ、三者三様の答えが返ってきた。1番目の職人には「見ればわかるだろう、レンガ積みに決まっているだろ」と言い、ただ命令に従って働いているだけで、愚痴ばかりこぼしては嘆いていた。続く2番目の職人には「この仕事のおかげで俺は家族を養っていける。感謝しているんだ」と、自分たちが生きるために生活費を稼ぐ手段だと言われた。そして、3番目の職人には「歴史に残る偉大な大聖堂を造っている。多くの人の心を救う聖なる場所になるんだぜ!」と、後々に残る建設事業に誇りを持って働いていると言われて、そのポジティブな精神に心が響いて、大いに励まされてお礼を言ってから過ぎ去った。
ちなみにこの3人のレンガ職人は、仕事内容や役割、賃金はほぼ横並びでそん色はない。それなのにモチベーションの高さは大きく異なっている。1番目の職人はやらされている感ばかりで投げやりなの状態。2番目の職人はお金を得るための手段だと割り切って、それなりにやりがいを感じている。3番目の職人は目的意識がしっかりとしているから幸福度が高い。それゆえ積極的に関わっていく意欲にあふれ、どうすれば良くなるのかを自発的に考えようとしている。
つまり、自分に与えられた仕事への関わり方で人生の豊かさは大きく変わってくる。自から果敢に興味を持って取り組んでいく。いつの間にか向上に必要なことを見つけ出し、それらに前向きに取り組むことで充実感のある人生になっていく。だからこそ、夢中になって生きられるような人生観にこだわっていこう。自分の仕事を広い視野から見つめて、小さな社会との繋がりを大切にしながら、生きがいとプライドをこつこつと育んでいく。自分の人生の主役は自分しかいない。そのステージを明るい眼差しで見つめて、素晴らしい舞台の上で精一杯やればいいのだ。