温故知新

昨日より3日間、クリエイティブスペース赤れんがでは、幼児から若手美術家まで一堂に介するグループ展「赤れんが、文化創造の基地へ」がスタート。かつて田辺武さんが期間限定で赤れんがの建物を借り受け、アトリエ・ロフトと名付けて、自らの創作活動の拠点として活用するともに、美術文化の交流と発展にご尽力されたことを鏡見て、あの熱い息吹を堪能することを目的に企画した。

ちなみにかつて赤れんがのある場所は幕末の長州藩指令本部。ここへ新しい日本を創るために志のあるものが集まり、近代国家の発展と国民文化の発展を信じて、たくさんの知恵を絞り合ったはずだ。つまり、未来を創造していくエネルギーがみなるパワースポット。進取の気風とパイオニア精神が満ちて、自然と気持ちが熱く奮い立ってくる。
 だからこそ、ここはアートの震源地としてふさわしい。先人たちが熱い魂が宿っているから血走ってくる。美術家が伸びやかにすくすく育つために必要なのは、合理的なカリキュラムや整備された環境ではない。尊敬すべき先人の頑張っている後ろ姿だ。実際に目にしなくても想像して、やる気が起これば成長していける。追いかけ続けて努力することが大切なのだ。