勘が利く

人は大人になってくると、よく知らないことや上手く説明できないことに直面すると、恥をかきたくない一心から無視してしまうか、あやふやな態度で誤魔化そうとしてしまう。

これと同じように美術鑑賞も、一般の人にしてみれば、気軽に触れて楽しむことは難しい。なんとなくこれはこんな感じじゃないかと、そうやすやす言葉にできるものではない。なぜなら、人生と同じでわかりやすい一直線だけはない。いろいろな要素が偶然に重なり合って作品は創り出される。

だからこそ、経験値を増やしていくこと。たくさんの美術作品数に触れていくうちに、ぼんやりとしていた許容範囲がクリアになって、どういう風に接すればいいのかがわかってくる。もちろん、現代美術のように新しく世界観は、そう簡単には理解できないが、それでも蓄積した体験から勘が働き、イメージを持つことができるはず。本能的な勘を意識しながら育んで、豊かな感覚に磨き上げていこう。