連携

2019年6月、コサカダイキ君と知り合って1年後に個展を開いた。やはり、どんなことをするにせよ、実際に学ぶことができるのは、現場で立って体験していくしかない。その人にとって今勉強すべきことは、様々な出会いによって知らされる。だったら多少荒療治にはなるけど、未経験者にリングの上に立たせて、どんな化学反応が起きるのかを試すことにした。

それにしてもコサカ君は不思議な若者。小学生の頃から絵を描くのは得意で、友人知人に評価されていたのに、自分には縁がない世界だと達観して、美術の道へ進もうとは思わなかった。ずっと高校までサッカーを続けながら、就職してサラリーマンになって、カッコイイバイクに乗って、仲間たちと楽しく遊ぶことを漠然と考えていた。

 そんなコサク君に22歳の時に転機がやって来る。社内で行わてた技能五輪選考会で落選し、自信があっただけにショックを受けて、このままでいいのかと人生を立ち止まって見直す。すると、絵を描くことへの強いこだわりに気が付く。よし、やってやろう!初めて本気になった。そう決意したとたん、運命の歯車は一気に動き出す。あれよあれよという間にことが進み、ついにはやまぐち新進アーティスト大賞を受賞する日に至る。正にドリームだ!これも、りおた君の存在が大きい。二人は競輪のレースのように連携し合って、それぞれの創造力を高め合ったのだろう。