初志貫徹

学校はグライダー人間の訓練所。飛行機人間は創らない。グライダーの練習にエンジンのついた飛行機などが混じっていては迷惑する。危険だ。学校ではひっぱられるままに、どこへでもついて行く従順さが尊重される。勝手に飛び上がったりするのは規律違反。たちまちチェックされる。やがてそれぞれにグライダーらしくなって卒業する」という名言がある。
このことは要するに、学校の生徒は先生と教科書にひっぱられて勉強する。いわば、自力で飛ぶことができないグライダーと同じ。独力で知識を得ているわけではない。それ故、いくら優秀なグライダーで卒業して社会に出て、なんでも自由に好きなようにやっていいと言われても、飛行機のようにエンジンがないので途方に暮れるだけ。つまり、目標がハッキリしているところでは、グライダー能力は高く評価されるけど、新しい文化を創造には飛行機能力が不可欠になるのだ。
 美術の世界も同じようなもの。美術大学を目指して画塾で学び、大学では様々なことでひっぱってもらえるけど、卒業してしばらくすると自力ができずに休眠状態になる人が多い。もちろん、働きながら創作することは厳しい。簡単にはできないことは重々承知している。しかし、エンジンのある人はチャレンジし続けていることも事実。だから、最初から自分で翔ぶことを意識しなければ、いつまでもできないままでいるだろう。