我以外皆我師

私が20代の頃の同世代の人たちは生意気なタイプが多く、礼儀も作法もなってなくて、時には大風呂敷を広げては肩で風を切って歩いていた。ただし、本人からすれば無邪気そのもの。まったく悪意なんてものはない。少しだけ目立とうとしているだけで、ずうずうしいという自覚なんてない。要するに、社会は共存共栄で成り立っていることを理解していない。他の人の活動や活躍が見えていない、眼中に入っていないのだろう。

そんな人たちも世間の風に当たっていくうちに、少しずつまわりが見えるようになってくる。いろんな人たちと触れ合うことで、社会に対する認識が変化していく。そこで、自分よりすぐれた人の方が多いと悟れば、大人の階段の一歩目を昇ったのだと言えよう。まわりの人たちの個性や能力をよく知ることで、自分を高めるために必要なことがわかってくる。自分の足らないものを教わる気持ちになれば、人間的に成長するチャンスが増えていくはずだ。

だから、相手としっかりと向き合うために謙虚な姿勢で生きることが大切になってくる。敬語によってコミュニケーションすることが出来れば、上下関係がフラットに感じる空気が生まれて、お互いに本気モードの対話で集中することができる。例え敬語が上手く使えなくても、いつも頭を低くしていれば、高い所から金言が流れてくる。そういう風に考えて、聞く耳を持つことに心掛ければ、毎日は学びであふれている。