Oh,、My Gad!

昭和の時代、公募美術展で高い評価を得れば、世間一般の人たちに広く知れ渡って、第一線で活動していくことが約束された。著名な美術評論家のお眼鏡にかなった作品が抜擢され、それをマスコミが大々的に取り上げて周知していき、さらに一流百貨店で大規模な作品展が開催されるという、立身出世することができる方程式があった。

そのため、新しいヒーローが誕生する夢のステージとして、創作活動を展開する作家のみならず、たくさんの人たちが固唾を呑んでその行方を注目していた。昨日まで無名だった人が一気に有名になるため、スターダムへ一気にのし上がるサクセスストーリーとして、憧れと羨望の眼差しを交錯させながら、夢のある仕組みにどっぷり浸かっていったのだ。

そんな古き良き時代のことを彷彿させられた。このたびの新進アーティスト大賞展で、コサカダイキ君が栄えある大賞を受賞したことは、私の想像以上に大きな反響を呼んでしまった。とにかく、どういう作家なのかについてよく尋ねられる。そして、美術学校へ行っていないこと、まったくの独学であることを告げると、「Oh,、My Gad!」の大連発の花火大会。

本当に夢を売る人物が登場したのだ。なんてたってここ数ヵ月は、都会の大手広告代理店から仕事の依頼もいただく。これもやはり山口市はアートのパワースポットだから成し得ることだろう。かつて、サビエル一行は大内義隆への献上品の中に、布教のために使う絵画と銅版画があった。それ故、ここには脈々とその息吹が続き、次々に素晴らしい人材が育まれていくのだ。論より証拠。これからもみんなで力を合わせて証明していこう!