鳩と青年

イメージ 1

先日、県立美術館のそばを自転車で通った時のこと。木陰で鳩たちがじゃれあっていた。こんな猛暑の日照りの中で、なんて元気がいいこと。もしかしたら人間よりも強い生きものなのかもしれない。生活を快適にする文明の利器がなくても、野生の遺伝子は優れているため乗り切っていける。古から自然に生き抜いているものの、たくましさと生命力のエネルギーに敬意を表した。
そう言えば、香月泰男画伯の「鳩と青年」という作品がある。1954年、戦争反対の意思表示として描かれた作品。後にシベリアシリーズ誕生のきっかけになったと言われている。「この作品で私が意図したものは戦争への憎悪による平和への願望を強く訴えることです。戦争による膨大な犠牲の代償として平和への願望があったはずなのに、日本人は今それを忘却しようとしている」という画伯の言葉に平和を教わる。平和とは行動が伴ってこそより強い力にすることができる。ついついわかっているつもりになっていたら危ういもの。いつの間にやら都合の良い解釈にすり替わり、そのうちに誰にもコントロールできなくなって暴走する。決して甘く見てはいけないデリケートなものだ。つまり人生を無事に楽しく過ごしていくには平和であること。このことに尽きる。だからボタンの掛け違いが起こさないために、しっかりとお互いの意見を尊重して、不要な波風の立たない社会にしていきましょう!
香月泰男のシベリアシリーズ 2019年7月23日(火)~8月18日(日) 9:00-17:00(入館は閉館30分前まで) 休館 月曜日(ただし8月5日(月)、12日(月)は開館) 観覧料 一般800円(600円)、シニア・学生600円(500円) ※シニアは70歳以上の方。( )内は前売・20名以上の団体料金。18歳以下および高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍の方等は無料 山口県立美術館 山口市亀山町3-1 http://www.yma-web.jp/