聖域

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その昔の美術は一種の聖域があると考えられていた。一般人にとって常識の枠を飛び出し、はみ出したような感覚は、ちょっとやそっとでは馴染めるものではない。美術家は社会のルールをもてあそび、一見しただけでは理解不能な表現を創作する。遠くから眺めるのなら薬になるけど、すぐ近くで観たら毒になることが多い。だから楽しく酔いしれる、ほどよい距離感から鑑賞するために、一種の聖域があるとしていたのだろう。美術にじわじわと足を踏み入れて、その空気に馴染ませながら、イマジネーションを育てていくのが王道だ。今の時代、美術はオープンになり過ぎた面がある。誰でも参加できるのはことはいい。だけど奥行きの深い世界に変わりない。そのことを知らないと甘くなる。自分を勘違いさせないためにも、立ち位置を確認しながら美術を楽しんでいこう!

■春るるる 美のモノ4人展 日時 2016年1月29日(金)~2月14日(日) 11:00-19:00 定休日 2月10日(水)大西靖子(版画)、染あとりえ草創(染織)、守重シゲ子(組み木)、てごや(織・フェルト)