縁起
よきライバル
美術の世界で夢を成し遂げることは難しい。しかし、多くの人の場合は今やるべきことに集中できずに、人生のターニングポイントをみすみす逃して、小さな可能性を掴めなかったから。ここ一番のチャンスを捉えら切れなかった自分自身の責任だと言っていい。例えば、個展などへの出展のオファーが来た時に、あれこれと考え過ぎて自重してしまったり、反対に深く考えもせずに引き受けたりと、理想像を目指して行動するのではなく、その場の機嫌や気分で成り行きに任せで行動していく。首尾一貫していないため、どんどん惰性的になって埋没するのだ。
それゆえ、いつも自分の創作スタイルにこだわり続け、自分らしい個性を磨くことが大切になってくる。とにかく、こういう作品を創りたいという理想像があってこそ、創造する世界への冒険旅行は俄然面白くなっていく。そのうちに直感が研ぎ澄まされて、日々に新しい発見や驚きとの出会いが増えるのだ。だから、いま目の前にあるものに、さまざまな視点から触れていこう。本気でプロになりたい気概があってこそ、創作活動は実のあるものになって、美術家と呼ばれるレベルに達するのだろう。ところで、掲載した画像は、イラストレーターの りおた君とコサカダイキ君。上の方が今年4月のもので、下の方が2018年5月に写したもの。この4年間、お互いに高い目標に向かって全力で取り組み、成功を夢見て熱い心を燃やしながら創意工夫している。やはり、どれだけやっているのかはオーラに表れてくる。やる気に満ちている人は、その気持ちが目に、ひいては顔つき、身体全体にみなぎってエネルギーが出てくる。お二人の来月の個展も楽しみにしている。このまま切磋琢磨し続けて、美しい未来を切り拓いてください!
芸術論の覚え書き
成功者は成長者
三尺三寸箸
なんのため
もし、「美術家はなんのためにギャラリーで作品展をするのですか?」と問われたら、「いろんなタイプの人たちと関わり合うことで、美術の世界観が自然と広がっていくため、創造力の豊かさに繋がるから意味があるのだ」と答えるだろう。いわゆる美術というものは、それぞれが唯我独尊で創ったり観たりできる世界。生まれ育った環境をはじめ、好き嫌いの好み、ものの考え方などが違ってもよく、そこから生じる自由で個性的な感覚を活かして楽しむことが大切になってくる。
だから、美術家の一員として、さまざまなことに触れていきながら、感性やセンスを刺激していく。どうすれば、創作活動を進めるための繋がりを育んでいけるのか。どうしなければ、美術コミュニケーションが円滑にできないのか。とにかく、なぜなぜの好奇心を大いに掻き立てて、興味のある分野が広げてみよう。そうやって小さな体験を積み上げていけば、いろいろな経験値が徐々に高くなって、美術という場で活動するためのコツというものを身に付けるのだ。
つまり、ただこの空間にいるだけでもいいのだ。まず、目で見えるものだけでなく、五感で感じるものを意識していく。なぜなぜの好奇心が掻き立てて、興味のある分野を新しく見つけよう。視覚だけの情報に頼り過ぎないで、思い浮かぶイメージで感じていく。なかなか慣れるまで安定してないけれど、常識や知識で凝り固まった感性を解き放ち、自分らしい価値観を探し出すチャンスになるだろう。そんな身近な美術と親しむ場になれるように、これからも精進していくのみである。