2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

昭和生まれの私にとって、「かぼちゃ」をテーマにした季節の行事と言ったら、二十四節気の冬至だと真っ先に答えるのだろう。なぜならそれが当たり前のことであって、今のように「ハロウィン」なんて西洋の風習は、クイズ番組で小耳に挟むことはあっても、そ…

千里の道も一歩から

この世の中はどんなことでも、いの一番から始まっている。例えば美術の才能を極めたと言われる人でも、スタート地点はみんな同じ場所から動き出している。そう、美術家として高い評価を得た立派な人でも、実は一番下っ端から一段ずつ登ってきただけだ。ある…

運鈍根

松陰先生の言葉に「道は則ち高し、美し、約なり、近なり」がある。その意味はこれは素晴らしい道だと思い込めるものは、実にどんな人でも身近にいくらでも存在している。だからひとたびやってやろうと決めた道だったら、少しも信念を曲げることなく、何があって…

努力家

人に歴史ありなんて言葉があるけど、どんな人でも生き抜いてきた歴史を振り返って、じっくりと巡り会った出来事を検証してみると、人生とは如何にドラマチックなのものかがわかってくる。幾度もあった運命の分岐点をギリギリの判断でくぐり抜けて、結果オー…

知的好奇心

「善者に親近すれば、霧露の中に行くが如く。衣を湿さずといえども時時に潤い有り」とは、私が通った禅宗の高校の授業で習った言葉である。この意味は霧や露の中を歩いていると、いつの間にか衣がしっとりとしてくるように、善人に接していると知らないうち…

自画自賛

いわゆる創作する人にとって悩ましいのは作品の評価だ。こればっかりは自分次第でどうにもならないこと。自分としてはそれなりに頑張っているのに、少しも良い反応がないなんてありふれたことだ。そのため自分ってダメな奴だと思い込みやすい。たしかに美術…

例えば、半年後にみんなでワクワクするような旅をしようよ!と呼び掛ける。すると仲間たちはその計画を実行するために必要なことに取り掛かる。旅費や宿泊費などのお金を貯めたり、普段の生活に支障がないように調整したりと、本当に旅ができるように最善の…

快刀乱麻

美術の世界で生きていこうと思っているのなら、永遠に学び続けていく覚悟が必要になる。例えば身近で美術に取り組んでいる人と比べて、自分の方が優れているから大丈夫と判断し、そのままの価値観で制作する程度のレベル人が、果たして本当に上手くいける実…

お誕生日

いつも空は家の窓からぼんやりと眺めていた。春は爛漫で、夏は激しく、秋はまろやかに、そして、冬はやや寂しい。そんな季節によって変わっていく、百面相の空はとても愉快で、代わり映えしない生活に潤いを与えてくれた。これが空なのだと勝手に思っていた…

楽しもう

この世の中で一番楽しいことと言ったら、学ぶことくらい楽しいことはない。それは学校教育における基礎的な学習でも、社会人として生きるためのスキルでも、余暇の日にやるような趣味であっても、とにかく興味が湧いたことなら、果敢に挑戦して学んでいくこ…

歴史は繰り返す

「歴史は繰り返す」とは、古代ローマ時代の歴史家が言った言葉に由来する。その意味は、どんなに文明が発達したとしても、どういう時代になったとしても、人間の本質はまったく変わることはない。そのため過去にあった様々な出来事は、未来になっても似たよ…

仲間づくり

「とかくこの世は住みにくい」とは、人それぞれ価値観も違えば考え方も異なるため、そのような人たちが一堂に会したら、何かにつけて摩擦が起きやすくなること。そう、人間界はあちらを立てればこちらが立たずは当たり前。皆々が納得できるような、また喜べ…

感性のアンテナ

て 先日、知人のSNSで展示している作品を見て、実際に観てみたいと興味を持ったため、遠方からお越しになったご家族がいた。とてもありがたいこと。来店するやいなや作品を食い入るように見つめて、じっくりと味わいながら楽しむ姿が微笑ましい。やはり百聞…

人生は一期一会

いくら才能があってやる気があったとしも、自分ひとりの努力だけで才能は開花しない。ダイヤモンドはダイヤモンドによって研磨するように、人の才能は人との出会いによって磨かれていくのだ。自分ではそれなりに上手くやっているつもりでも、そのほとんどの…

覚悟

10代の頃、自分がそれなりに真面目に描いた絵を褒められたとしよう。だったらプロの画家になってやろうと決心して走り出す。このことはどこにでもある、ありきたりな若者の行動と言えるもの。これをことわざで例えるのなら「若気の至り」だ。年齢が若くて血…

四民平等

その人が人生でずっと創作したいのならまず、自分はどんな分野の美術ができそうなことを知ることが大切だ。誰も子どもの頃だったら天真爛漫が許され、何ものにも縛られず自由に生きることができる。しかし、自由なことばかりを追い求めてしまったら、いつま…

阿吽の呼吸

それはまるで阿吽の呼吸。お互いがお互いの作風を理解し合っているため、作品のコンセプトや微妙な表現については、深く語り合うコミニュケーションは必要なかった。だからといって、この時の二人はよく語り合っていたのだが、そこにあったやり取りは実のと…

転じて

人生はいつも良い日ばかりではない。望むと望まざるにかかわらず、身の回りには様々なことが起きて、悲喜こもごもに翻弄されていく。ことわざの「禍福は糾える縄の如し」とはよく言ったもの。人間の幸福と不幸は表裏一体で代わる代わるやって来る。人生は楽…

初心

n ことわざの「三度の飯より好き」とは、1日に3回ほどある大切な食事が、どうでもよくなるほど何かに熱中していることをいう。この言葉のようにある人が15歳だった頃、漫画を描くことにすべてのエネルギーを注いでいた。それは漫画家になろうと決心したわけ…

われらの姉さん

最初にその人を見かけたのは中学1年生の文化祭だった。ダイナミックな水彩画に驚かされる。大きな画用紙にいきいきと描かれていた。どんな人なんだろうと名前を見ると同じ苗字。たしか姉以外にいなかったはず・・・。そんなことを思っていたら、偶然にも作者ら…

発見

いわゆる自分がやりたくないと感じたことは無理してやらなくてもいい。その理由はよくわからないことでも、とにかく気が進まないで自重するのは、野生の勘が拒否することで起こるのだ。そう、人類がここまで生き延びることができたのは、直感というセンサー…

他流試合

美術館という場所へ一歩入り込むと、そこは海外に行ったような異国の気分が味わえる。また、ある時は古へタイムスリップしたように、歴史に由来のある品々を堪能できる。そして、今現在を象徴する作品と出会えた時は、あまりにもタイムリーなため、簡単には…

インスタ映え歳時記

先週末、友人といつものように話していたら「ウチラの若い頃もインスタ映えと同じようなことがあったよね」という話題で盛り上がる。なるほど、たしかにブランド服を着飾った人や車にこだわって大枚を叩いた人もいたし、お洒落なレストランで食事を満喫する…

ドリーム!

誰の人生もこつこつと真面目に努力をしていけば、必ず開花する時期がやって来るもの。これを例えるのなら花の種を蒔いて、せっせと水をやって世話をしたけれど、天候に恵まれなかったので枯れてしまった。しかし、そこから今度は予想もしなかった雑草が生え…

誕生日

今日で山口県立美術館は開館40周年を迎える。当時、美術館周辺はパークロードと呼ぶにふさわしい美観整備がなされ、博物館と図書館という既存文化施設に続いて、県民が創造的な1日を楽しむための三本目の矢として誕生した。そこへ行けばすぐれた美術品を鑑賞…

肌で感じる

ある日いつもと同じ道を歩いていたら、パッと見ただけでは正体がハッキリとしないものに出会ったとしよう。この時に例え携帯情報端末器を持っていたとしても、調べる際に検索キーワードがわからないのだから、それが何かを知ろうとしもどうしようもないだろ…

愚直

昭和末期に起きたバブル景気。株式や不動産を中心にした資産取引が活発化して、経済が過度に膨れ上がって高騰していくばかり。その頃の美術界は未来のことを楽観的に見ている人たちが多かった。なぜなら将来の展望が描きやすくて、真面目にこつこつとひたす…

土地

現在の山口県立美術館がある周辺には、かつて山口師範学校(現:山口大学教育学部)の校舎があって、戦前そこには猪熊弦一郎などが訪れて、熱心に学生たちに美術指導していただいたと、没後の遺産を寄付されて、やまぐち新進アーティストの創設の功労者の画…

見えざる手

小学生の頃、芸術家 岡本太郎氏がテレビCMで言い放った「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」というセリフにしびれていた。当時、ドリフターズの加藤茶の「チョットだけよ~」というギャグに匹敵するくらいのインパクト。CMが流れるのを楽しみにしてい…

自由

この10月にめでたく40歳になった山口県立美術館。開館の頃は母が既にギャラリーをしていたため、なんとなく通った覚えはあるけど、美術に今ほど熱心でなかったので、展覧会のことはあまり記憶に残っていない。本当にまだらというのか、未完成のパズルみたい…