2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

成り上がり

40年前、知らぬが仏ということわざではないけど、どんな校風なのか全く知らぬまま入学してしまった我が母校。その後の3年間は、パンチの効いたヤンチャな人たちに、とても丁寧にご指導ご鞭撻いただき、骨の髄まで可愛がってもらわれながらも、なんとか卒業す…

これでいいのだ!

岡本太郎氏の著書の中の一節。個性を活かして生きるための極意がわかりやすく書かれてあった。それは「熟すということは、技能や熟練とは関係がないというのがぼくの信念だ。芸術はもちろん、スポーツも歌も会話もすべて、下手なら、むしろ下手こそいいじゃ…

たらねば

人生はなかなか自分の思っているようにはいかないもの。だから「もっとお金と時間があったら、もっとしあわせな気持ちで生きられるのに・・・」と、言ってもしかたのないことを言って嘆いてしまう。しかし、自分の思った通りにいかない時に、現状を肯定的に捉え…

耳したがう

私が50歳になった頃から、世の中の移り変わりは速くなり、ちょっと油断して目を離せば、あっという間に新しい波にのまれてしまう。また、これまでになかったものが登場し続け、ようやく馴染んできだと安心していたら、すぐに次のことを覚える必要性に迫られ…

雨ニモマケズ

宮澤賢治の代表作の1つである「雨ニモマケズ」。私はこの序文の「雨にも負けず 風にも負けず 雪にも夏の暑さにも負けぬ 丈夫なからだを持ち 欲は無く 決していからず 何時も静かに笑っている」に触れた時に、頭の中に思い浮かんでくる人物がいる。 その人は…

好奇心

ただ美術が好きだから制作をしているだけ。その作品は誰もが面白いと思われなくてもいい。もしかしたら自分一人で勝手に盛り上がっているのかも。だけど、それならそれでいいじゃないか。創作するとは他人と競い合ったり、比較し合うものではない。自分自身…

無敵

その世界で本物と言われる人には、敵と言われるものがいないもの。いわゆる無敵なのである。ただし、それは非常に強くて敵対するものをなぎ倒してつぶしていったわけではない。自分のやっていることに自尊心があるため、誰に対して分け隔てなく誠実に接しら…

温故知新

今、自分の立っている場所の歴史を知ると心が熱くなれる。遠い過去のことを振り返って、変化してきた年月に思いをはせてみると、いくつものことが繋がっているを感じてしまう。どんな人でも自分のいる環境を深く知ることで、先人たちがそこで築いてきた文化…

人生観

私は以前から美術家というのは、哲学を持っていた方がいいと考えている。ただし、いわゆる哲学者が唱えるような専門性の高いもののことではない。単純明快に言い表すとしたら、大きな夢のある人生観を持って欲しいということ。自分らしい作品を制作しようと…

茗荷

昨日、NHKの情報番組「あさいち」は夏野菜の特集。その中で「茗荷を食べると物忘れがひどくなる」という俗説の由来について解説があった。これはある非常に物覚えの悪いお坊さんが天に旅立った後、その墓から茗荷が生えてきたためだとされている。ちなみに茗…

能はざるに非ざるなり 為さざるなり

6年前の文化の日、近くの商店街であったイベントで、噂には聞いていた若者と初めて出会う。職業はイラストレーター。この日は生業にしている似顔絵で人々を惹きつけていた。一見は尖がっている。しかし、実際はとても人懐っこい。絵の依頼主を明るい雰囲気で…

大道長安に透る

禅語の「大道長安に透る」。この長安とは唐時代にシルクロードの中心として栄えた都のことで、誰もがその大きな道を透る(通じる)ことをいう。この言葉は修行していくことは何も難しいことをやる必要はない。朝起きて顔を洗い、身の回りを掃除をして、ご飯…

スロースタート

その昔、美術の道へ進もうと決めたのは高校2年生になってから。高校1年生の時はいわゆる帰宅部で、それ以前の中学生の時は卓球部に所属し、小学生の時は近所で普通に遊ぶまわる日々を過ごした。よくある子供の頃から絵が大好きで、画家になることを夢見てい…

変化していく

気がつけば美術の世界に関わってから長い年月が経ってしまった。それなりに数多くの美術作家や作品、鑑賞者の方々などと出会い、いろんな世界観を学びながら歩んでいるつもり。本来ならベテラン域に達していると言いたいけれど、私はこの歳になってもいまだ…

幸運の女神

昨日、美術家志望の若者がひさしぶりにやってきた。いつもながら穏やかな表情を浮かべ、とても大人しい性格だけど芯はしっかりしていて、社会人になってからもこつこつと制作している。自分らしい世界を表現するために真面目に頑張っているのだ。とにかく美…

断捨離

シュークスピアの言葉に「過ぎてかえらぬ不幸を悔やむのは、更に不幸を招く近道だ」がある。これは起きてしまった過ちを悔やんでもどうにもならない。だのについ思い出しては愚痴を言ったり、へこんで悲しく気持ちになったり、 どうしようもない怒りがこみ上…

努力の天才

近年、美術家になろうを志して活動する人は、すぐにそこそこのレベルまで達しやすい。なぜなら、ネットを通じて豊富な情報を得ることができるし、制作に使用する画材や道具類も進化して利便さが高く、そして、分野を越えた横のつながりによって、的確にアド…

出る釘

いわゆる岡本太郎氏の著書の中に「ぼくはかつて、出る釘になれと発言したことがある。誰でもが、あえて出る釘になる決意をしなければ、時代はひらかれない。ぼく自身はそれを貫いて生きてきた。確かにつらい。が、その痛みこそが生きがいなのだ。この現代社…

飛び出す

昨日の午前中、高校生と思わしき女子が二人ほど来店してきた。そこで「いらっしゃいませ」と、やさしく声をかけてみたところ、やや緊張した面持ちでぺこりと頭を下げてくれた。おおー、しっかりしているなあ。そして、一生懸命に作品を観て楽しんでもいる。…

十進九退

例えば何か大好きなことに10回くらい挑戦して、1回しか上手くいかなかった場合、失敗してしまった9回の印象にをひきずられて、もう一度やってやろうという勇気を失いやすいもの。冷静にその結果をよく見てみれば、なんと1回は上手くやって成功しているのに、…

後天性

その昔、昭和の作詞家 阿久悠氏の言葉に「無条件の若さのピークは18歳」がある。たしかにこの時代の若者は豊かな感受性で、様々なものに触れてながらいろんな感触を吸収していく。ビビット浮かんでくる直感を信じ、如何にも大変そうなことでも、意欲満々にや…

神様に見初められて

この世には美術の神様に見初められたような人がいる。とにかくどんなことがあっても美術との縁は繋がったまま。いつもギリギリのところで、美術しかない道を選ばされて、そのたびに美術の才能が深まっていく。これは決して当の本人に強い意志があるわけでは…

矛盾

この世の中は矛盾だらけ。あちらを立てればこちらが立たず。しかし、このような矛盾があるからこそ、いろんなことを考えさせられて、いろんな視点から見つめることができる。仮に矛盾なんてものがなくなったら、すべてが同じようなものばかりになって、異な…

守破離

松陰先生のお言葉に「大よそ十歳前後より四十歳ころまで、三十余年中学問を勤む。しこうして其の最も自ら励むことは中十年にあるなり」がある。これは、10歳前後から40歳くらいまでの約30年は、ただひたすら目標へ向かって勉強することが大切だ。特に20歳か…

我思う故に我あり

このところ再び注目されている天才高校生プロ棋士の藤井聡太七段。私は子供の頃から将棋で遊んでいたので、今も新聞などで棋譜(対局の指し手)を見ることを趣味にしている。中でも投了図(勝敗が決まった棋譜)は理論的ではなく感覚的に触れることで、戦っ…

井の中の蛙大海を知らず

ことわざの「井の中の蛙大海を知らず」とは、井戸の中のかえるは大きな海を知らない。狭い見識にとらわれて、他に広い世界があることを知らず、自分の住んでいるところがすべてだと思い込んでいる人のことをいう。この意味をあらためて読んでみると、しみじ…

あきらめ

今年の2月下旬、ギャラリーでは県美展関連のグループ展を開催する。参加したのは20代から60代までの総勢45名が参加した。花をテーマに1人1点の出展し、42年の歴史の中で一番多い人数が集まった。また、全国区で活躍したスターの作品もあったため、予想以上の…

不器用

先週、知り合いの方から「どんなタイプの人が美術家になるのでしょうか?」と尋ねられた。そこで「真面目に普通の人のように生きようとしても、いつの間にかズレて普通には生きられない、器用というよりも不器用な人が向いている職業だと思います」と回答す…

噓も方便

子供の頃、未来はこんな風になりたいと描いた夢は、ある程度の大人になってから考えてみると、実際には上手くいかないことだったりする。このことは子供らしいユニークな発想というのか、現実を無視することで浮かぶ思い込みで、いわゆる世間知らずだからで…

情けは人の為ならず

11年前、縁あって若い学生の前でお話しをする機会をいただく。たった1日しかないけれど、とてもやりがいがあるのでお受けすることにした。自分がこれまで美術と関わってきた歴史が試される時。素直に若者たちの前ですべてをさらしてみようと思った。こういう…