2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

諸君、狂いたまえ!

吉田松陰先生の名言に「狂愚まことに愛すべし、才良まことに虞るべし」がある。この言葉は、黒船が来訪して西洋列強による先端的な文化に直面した時に、今までの日本の常識ではまったく通じなくなり、だったら、そんな価値観にこだわっては上手くいかないだ…

後ろ姿

「後ろ姿を覚えねば、姿の俗なるところをわきまえず」という世阿弥の名言がある。 この言葉は自分の姿を前後左右の角度から、よく見つめて知ることが肝心である。いわゆるメタ認知と同じようなことで、客席にいる観客ような厳しい目で見なさい。自分を第三者…

芸術論覚え書

中原中也の『芸術論覚え書』の中に、「人がもし無限に面白かったら笑う暇はない。面白さが、ひとまず限界に達するので人は笑うのだ」という言葉がある。 いわゆる世間一般で年の瀬が近づくと、この1年は早かったという声が聞こえてくる。「あっという間の1年…

はみだす

「大いなる若気の至りが個性を育てる」という名言がある。 人の個性は十人十色。誰ひとり同じものはない。だのに、日本の教育はいつの時代になっても、みんなを同じように育てようとする。たしかにそのおかげで知力のレベルはある程度の水準に到達している。…

やってみせ

連合艦隊司令長官だった山本五十六の名言に「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」がある。 この言葉…

青春

昨日の午前中、小雨が降りしきるなかを車を運転して一路母校のサッカー場へ。実は今週の30日に開幕する全国高校女子サッカー選手権大会へ初出場するサッカー部に、熱い気持ちを込めた応援の品として、イラストレーターりおた君にデザインしてもらった横断幕…

サンタクロース

一般的にサンタクロースとは、クリスマスイブに子供たちへプレゼントを届ける人物のこと。赤い服装を身にまとい、真っ白なヒゲをたくわえ、トナカイに乗ってあらゆる場所へ登場する。このことは諸説いろいろあるけど、その真偽をああだこうだ議論するより、…

マッチ売りの少女

今の世の中、巷には必要以上の情報が溢れている。既存のマスメディアに加えて、インターネットの普及や技術革新により情報流通は活況を呈する。だけど、これらをシャワーのように浴びていたら、じっくりと一つのことを考える暇なく、次から次に新しい話題に…

限界知らず

岡本太郎の著書に「自分の限界なんてわからないよ。どんなに小さくても、未熟でも、全宇宙をしょって生きているんだ」という言葉がある。 そう言えば、どんな人でも自分自身のことをよくわからなかったりする。自分の長所や短所が何なのかがわからないことが…

いま生きているという冒険

写真家 石川直樹さんの16年前の著書『いま生きているという冒険』の中に「チョモランマの頂上付近では、誰もが一人の生身の人間として自然と向き合わなければなりません。お金持ちもそうでない人も、王様もサラリーマンも、年上も年下も関係ありません。今こ…

極北

写真家 石川直樹さんの著書『極北へ』の巻頭に「極北の大地とのつきあいは長い。その源は、ぼくが高校生の頃に遡る。十七歳になったばかりの夏、はじめての海外一人旅でインドに行った。インドでの体験はそれまでの自分を粉々にしてしまうほど強烈で、その衝…

レジェンド

昨日の深夜、「最高の夢は目覚めてる時に見る」という名言のような素晴らしいサッカーのゲームに没頭する。とにかく、これは夢なのか現実なのかわからなくなるほど、ドラマチックなゲーム展開に、1秒たりともテレビ画面から目が離せないまま。純度100%のピ…

迷路

岡本太郎の言葉に「われわれの世界、環境は無限の迷路だ。だからこそ生きがいがあり、情熱がわく」がある。 何ごともできることだけをやっていたら、昨日と変わらない今日になって、今日と変わらない明日になってしまう。これは現状維持ではなく、ただただ停…

オブジェ

例えば、今あなたは美術館の壁面にある絵を観ているとしましょう。その場で目を閉じれば、当然、観えなくなる。だけど、絵それ自体がなくなったわけではない。ということは、絵を観た印象が残れば、絵を観たことになるのでしょうか。それとも、評論家の解説…

最大多数の最大幸福

「最大多数の最大幸福」という言葉がある。これは一人ひとりの幸福を足し合わせ、全体の総量としての、みんなの幸福を最大にする行為が望ましいとすることを指す。この場合の幸福とは快楽のことで、対極の苦痛は不幸=悪で、つまり、ある行為のもたらす快楽…

大器晩成

『口』に『十』と書いて、叶うという字になる。これは願っていたことがそのとおりになるには、何度も何度も目指すことを口にして、挫けずにやり続けることが大切だということを表す。要するに、小さなことでもこつこつと積み重ねれば、やがて大きなことがで…

ユーモア

いわゆる「ユーモア」とは、人の心を和ませるジョーク。気の利いた言葉で笑わそうとすることで、その場のムードを明るく変えるエッセンスである。ただ笑いをとるのではない。そこには品格や気遣いが必要になる。鼻先をくすぐるような茶目っ気があるからこそ…

運命

2007年新春、吉村芳生さんから大星君が中学卒業後すぐに弟子入りして一緒にやることになったと告げられる。この時、私は大丈夫なのだろうかと不安が頭をよぎったが、吉村さんはとても嬉しそうなお顔だったので、これでいいのだと思った。実際、後から考えれ…

いくさ

昨日、京都・清水寺で今年の世相を表す漢字に『戦(いくさ)』が選ばれたと発表された。その主な理由は、ロシアによるウクライナ侵攻に加え、北京冬季五輪やサッカーW杯カタール大会で熱戦が続いたことが挙げられている。なんとなく都合のいいように、強引に…

ネバーオンワード

米国の思想家 ラルフ・ウォルドー・エマーソンの言葉に「人生はすべて実験である。実験の数は多ければ多いほどよい。もし失敗したら、もう一度起き上がればよい。転んだって何ともない」がある。 この世の中はお釈迦さまのように慈悲深くない。ひとたびやる…

蜘蛛の糸

芥川龍之介の児童向け短編小説『蜘蛛の糸』。そのあらすじは、悪事を働き地獄に落ちたカンダタだったが、蜘蛛を助けたという一つの善行によって、お釈迦様から地獄より抜け出るために、極楽から蜘蛛の糸が垂らされる。それにカンダタは気づいて蜘蛛の糸をつ…

因果は巡る糸車

このたびの山口県美術展覧会で審査員だった現代美術家の岩崎貴宏氏の審査講評冒頭の言葉に好感を覚える。「大賞を決定し控室で作家名を聞いた時、驚きと共に鳥肌がたった。なんと数奇な運命だろう。大賞を獲った吉村大星さんは16年前、私がこの県展に挑戦し…

まくら(枕)

いわゆる落語には、いきなり本題には入らず、世間話をしたり、関連する小ばなしをして、落語を演じるにあたってなくてはならない「まくら(枕)」と呼ばれるものを行う。これは本題でわかりにくい言葉や予備知識を与えることで、落語を聞きやすくするために…

伸びしろ

香月泰男画伯の名言に「私は毎年のことだが、今年も庭の椿を描いている。ただ椿の花の咲いているのが眺められる、しあわせのしるしとして描いている」がある。 冬場の冷え込みが厳しい山陰地方。その寒さを乗り越えて、春を訪れを感じるのは、あちらこちらで…

勘が利く

人は大人になってくると、よく知らないことや上手く説明できないことに直面すると、恥をかきたくない一心から無視してしまうか、あやふやな態度で誤魔化そうとしてしまう。 これと同じように美術鑑賞も、一般の人にしてみれば、気軽に触れて楽しむことは難し…

色鉛筆で描く彼岸と日常

1985年1月、山口県立美術館ニュースに、吉村芳生さん(当時34歳 故人)が寄稿した文章があって、その冒頭は今読んでみてもなかなか面白かった。 今日は朝から宇宙が痛い。どうも宇宙の調子が悪い。我が宇宙の状態がもっとも良くなるのは深夜である。そう深夜…

勇往邁進

数年前、ある逸話が載った本とめぐり合う。そのお話しはある旅人が野っ原を歩いていた時に、突然、目の前に鋭い牙を持つ虎が現れた。それ故に危機から逃れるため、傍らが崖っぷちの大きな木に登ってみたら、今度は頭上の枝にいた大蛇が近づいてきたのだ。上…

実るほど頭を垂れる稲穂かな

いわゆる美術家は、たくさんの美術作品や優秀な人材に触れて、たくさん意欲的に作品制作して、専門家に評価された人が偉いというのが世間一般の常識である。だから、有名な美術大学へ進学さえすれば、それらの条件が満たされやすいので、なんとしてもそこへ…

いばらの道

2013年4月下旬、日テレ系の深夜番組に最晩年の吉村芳生さんの活動が放映される。当時、美術館での展覧会や大都市で個展など、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。そんな合間を縫って、テレビ番組に積極的に出演されていた。ちなみにこの番組の公式サイトに、以下のよ…

感謝!

2013年12月5日、この年のGWの3日間に、ポストカードの売り上げ枚数を競い合うグループ展を行い、参加者28人のうち一番の販売数で優勝して、個展開催権を獲得した臼杵万理実さんの個展が始まった。ちなみにこれが初めての個展。思わぬかたちで開くことになる…