2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

迷信と科学

迷信とは、人々に信じられていることのうちで、合理的根拠を欠けているもの。昭和時代は社会秩序を守るための口実として役立ち、そんなことをしたらバチが当たるとか、たたりに遭うとか、どこかリアリティーがあることを言い、主に子どもたちに恐怖心で約束…

勘ピューター

数十年前、日本でパソコンが普及し始めた頃、都会のデザイン事務所をやめて、陶芸の世界で修業する人と出会った。その人曰く、「それなりに技術もあって、見合う収入もあった。けれど、コンピューターは日進月歩。どんどん機能がよくなるから、自分如きの腕…

本能的な衝動

岡本太郎の著書に「絵を描くということは、疑うことのできない、すべての人のうちにある本能的な衝動なんだ。歌うこともそう。叫ぶことも、踊ることも。表現欲というのは一種の生命力で、思いのほか激しいもの」という名言がある。 たしかにこの言葉のとおり…

曖昧

いわゆる美術鑑賞する際の感想は、しばしば曖昧な言葉で述べられることが多い。なぜなら、作品を観て感じたことは人それぞれ違うため、どう解釈するかという点について、こうでなければならない答えはなく、いろんな意見があって然るべきだから。その人の育…

正しい

エジソンの名言に「私は、ひとたび自分が正しいと思う道を歩きだしたら、ゴールに到達するまでペースを崩さない」がある。 とにかく、直感で正しいと思えることは大切にした方がいい。なぜなら、その人にとっての正しいと思えることは、さまざまな経験の積み…

It's a Small World

太宰治の名言に「芸術家は、もともと弱い者の味方だったはずなんだ。弱者の友なんだ。芸術家にとって、これが出発で、また最高の目的なんだ。こんな単純なこと、僕は忘れていた。僕だけじゃない。みんなが、忘れているんだ」がある。 ただいま個展開催中の岸…

後天的な才能

いわゆる美術大学へ進んだら、創作活動に必要なことを、幅広く学むことができる。しかし、その人の個性を活かした独自性のある表現は、教えようにも教えられないし、習おうにも習うことができない。美大はもちろん、非常に洗練化されたカリキュラムのもとで…

基本的なもの

「下足番を命じられたら日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ」という名言がある。 この言葉は、どんな人でも最初から大きな仕事を任せてもらえることはない。まずは新米として与えられた仕事に誠心誠意取り組んでいこう。例…

大人

その昔、昭和の時代は年齢の若いことがネックになって、なかなか能力を認めてもらえなかった。エネルギッシュでキラキラした若さの輝きよりも、豊かなベテランのいぶし銀の光の方が評価される。それ故、美術へ挑戦する若者は背伸びして、如何にもキャリアが…

愚直

いわゆる幼い子供は何かに憧れて、そうなればいいと想像して興奮しやすい。それは浮世離れしていて、リアリティーがなくてもいい。なぜなら、子供にとって大切なのは大きな夢を持つこと。例えあり得ないレベルだったとしても、堂々と言葉にした方が潔くてい…

普通って日に感謝するのみ!

昨日は開店準備中から来場者にめぐまれる。ひさしぶりに雨の降らなかった土曜日。みんな外に出たくてうずうずとしていたのだろう。自然に明るい雰囲気がにじみ出て、心なしか嬉しそうな様子が伺える。まだまだマスクをした人の方が多いけど、ピリピリした空…

独学

美術家に必要な能力は独学で身に付けるしかない。面倒見のいい先生のところへ駆け込み、あれを取り入れていいとか、これをこうしたらいいとか、手取り足取りアドバイスしてもらい、めでたく成果が出たとしても、それは当たり前だが独自性のある創作にはなら…

観察眼

いわゆるものごとを観察する力は、そういうことは既に知っているよと、冷ややかな目で見てしまうと、その途端に表面的なものを見てるだけになる。今までこのことはたくさん見てきたから、もう十分に知ってることだと結論付けると観察眼は失われていく。それ…

腕を競い合う

いわゆる美術公募展とは、それぞれの美術家が自分の個性を活かし、独自性のある作品を応募して、腕を競い合う展覧会のこと。美術界の発展と向上することを目的に、多種多様なコンセプトで運営されて、新しい表現と人材の発掘を期待して行われる。ただし、ス…

感心力

人生とは驚くことばかり・・・っていうのか、私は意外くらい簡単に驚いてしまうタイプなのだ。これは感性が豊かだというより、子供の頃から勉強が得意でなかったので、この世は知らないことだらけと悟っている。よって何か新しいことを教えてもらうと「へえ~~…

まっすぐに

その昔から大風呂敷を広げてものを言う人がいる。それが私にとってどうでもいいことなら、その場限りだと割り切り、適当に合わして逃れる。しかし、美術に関わることだったら、後からネットで検索して調べて、真偽のほどを確かめるようにしている。これは頭…

道草

いわゆる創作とは、どっかりと腰を据えて、余計なことをいくつもやりながら、道草をするように進めていった方が、新しいひらめきが生まれやすくなる。言い換えれば、あれこれ余計なことをしないで、脇目も振らず集中してしまうと、すでにあるものを少し変え…

マカロニ

その昔、関西出身の妙さんは働いていた会社を辞めて、イタリアへ料理研究のために行って、現地で働きながら勉強する日々を送っていた。するとある日、才能のある絵描きと出会って、そのままめでたくゴールイン。しかし、現実は厳しく、絵描きの収入を大した…

直感力

ことわざの「大国を治むるは小鮮を烹(に)るがごとくす」とは、小魚(=小鮮)は、箸で小魚を煮るのにつつき過ぎると形が崩れやすい。それ故、小魚を煮始めたらあまりつつかない方がいいように、大国を治めるには人民にあまり干渉せず、自由にしておいた方が…

ダイナシティ

昨夜のNHK Eテレ『ロッチと子羊 迷えるあなたに哲学を』は、子どもと若者お悩み白書の中から「心と体の性の悩み」を取り上げる。ここ数年、性的少数者であることを示すLGBTQ+という言葉が浸透し始め、セクシュアリティの多様性が少しずつ認められているが、…

草莽崛起

NHK連続テレビ小説「らんまん」。印象に残った名台詞は、植物学者を目指す主人公 槙野万太郎が言った「名もなき草らぁはこの世にないき。人がその名を知らんだけじゃ」 。これはドラマの時代背景が明治であるため、自由で平等な社会でなく、名前で呼ばれない…

チャレンジャー精神

創作活動は、とにかく何かをやる始めることで、自分のやりたいことが見えてくる。必ず上手くいく方法が見つかるまでやらないでは、どんどん臆病風に吹かれて、やるべきことが先送りにされていく。じっくりと最善の手段を考えてから行動することはいいこと。…

納得

私が毎週末に欠かさず見ているのは、Eテレの稲垣吾郎・草彅剛・香取慎吾と学ぶ教育バラエティー番組「ワルイコあつまれ」。その中でも子ども記者会見は、ゲストに対して大人と違い歯に衣を着せない質問を次々に繰り広げて、本音や極意をどんどん聞き出してく…

風土

先日、新聞の記事で開業45周年を大きく取り上げていただいたことで、ギャラリーという仕事についてあれこれと聞かれる機会が何度もあった。私はそのたびに「山口市という大内義隆の頃から文化の歴史が脈々と続く地の利のおかげです」と言い、さまざまな文化…

フラット

そう言えば20代半ばの頃に、親しい人から自主上映会の企画を持ち掛けれて、ざっくりとした説明でようわからかったけど、なんだか面白うそうなの実行委員になったことがある。その映画は「ワールド・アパート」で、南アフリカ共和国で反アパルトヘイト問題を…

王道

ことわざにある「長いものには巻かれろ」。これはまったく勝ち目のない強い相手には、一矢を報いようとして抵抗するより、力の差を諦めて従ったほうが賢明だという意味である。たしかに立ち向かっていく勇気が必要なこともあるが、まず自分の身を守るために…

好きの力

昨日のNHK連続テレビ小説「らんまん」の冒頭で、神木隆之介さんが演じる主人公 槙野万太郎は「ワシっ飛びっきりの才があるがよ。植物が好き、本が好き、植物の絵を描くがも好き。好きってという才があるがよ。それは峰屋に生まれたけいこそ、育ててもろうた…

努力の天才

近年、どんな人でも必要な情報を簡単に手にすることができるようになる。いわゆるビッグデータをウェブ上で収集し、自分なりに分析して適切に活用すれば、経験値の足らなさを補うことができる。かつてのように、さまざまな文献などからこつこつ調べてなくて…

学びの時間

一昨日の夜は、NHK Eテレの100分de名著「精神現象学 ヘーゲル」を視聴したところ、なかなか腑に落とすことができず、NHKプラスで何度も繰り返して見直した。とにかく、敷居が高いけれど「これが正しいに違いないと信じていた、かつての自分の存在を否定し失…

幸せって

美術家は作品が売れたり、公募展で賞を獲得すれば幸せだという考え方は、その道を志す若者に教えるべきことではない。なぜなら、その時に得られるお金や評価による表面的な幸せは、時代や社会情勢が変わることによって、簡単に覆ってしまうからだ。その時は…