2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

セルフマインド

昭和時代の終わり、初対面の美術家同士が自己紹介する時、お互いの能力を公募展での入賞入選歴や著名な評論家による評価などで比較していた。自分が上で相手が下だと思ったり、その逆でやられたと思ったりする。この場合、たとえ優越感を得ても劣等感を得て…

お金

自分の美的センスや芸術的才能に少しでも自信がある人なら、その能力を磨いて開花させて、収入が得られるようになりたいと考えるだろう。いわゆる美術の世界は簡単にはお金にならないとよく言われるけど、実際に生活できるほど稼げる人もいるから、自分もど…

パッション

昨日、山口情報芸術センターで始まったばかりの「あそべる図書館」に参上。するとワークショップの真っ最中で、この展覧会のスタッフの一人である鈴木啓二朗君が縦横無尽に走り回って、参加者をサポートしたり、やさしい言葉でモチベーションを上げていた。…

驕れる者は久しからず

平家物語の一節に「驕れる者は久しからず」とは、たとえ栄華をきわめ絶大な権力を握っていても、地位や財力を鼻にかけて驕り高ぶる者は、その身を長く保つことができないという意味である。 私はこれまで驕り高ぶる人とたくさん出会ってきた。それは大成功し…

創造の旅

20年前、「先端芸術表現」と呼ばれる文化が足音を立てて山口市にやって来た。いわゆる従来の絵画や彫刻、デザインなどの既存の美術ジャンルから抜け出し、時代とともに変化していく社会や科学技術の中で、新しい形や概念による造形表現のことで、主にパーソ…

千里の道も一歩より

ここ数年、まだまだ土台ができてないのに、ハイレベルなことを無理矢理やろうとする人を見かける。一足飛びに能力を高めようとして、勢い余って足元を踏み外し、途方に暮れる人と出会うことがある。いわゆる物事には必ず順序というものがある。何かことを上…

後天的な才能

その昔から美術家になれる人は、生まれつき備わった才能がなければなれないと言われていた。最初から美しく表現できるセンスを持っていて、普通の人とは生まれた時から、歴然とした差があると思われている。しかし、才能があると言われるのは上手くいった人…

感覚的な人

感覚的な人という言葉がある。これは何かいいとか、良さそうとか論理的ではなく、自分のフィーリングで判断して動く人のことだ。それ故、まず気持ちで感じたことを第一に、場当たり的な行動になっていくため、他人には理解しづらい人とみなされることが多い…

感受性

徳川家康が残した「不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。おのれを責めて人をせむるな。及ばざるは過ぎたるよ…

知らぬが仏

いわゆる怖いもの知らず人は、無理目なことでも怯まない。客観的に見ることができないことを逆手に取り、そのうちできるはずと楽観的な発想で挑戦していく。身の丈をよく知らないことは、最高の武器になるのかもしれない。少しくらい思い上がっていた方が、…

魅力

「人の本当の価値というのはその人自身から見出すことはできない。それは周囲の人々の表情や雰囲気の中にありありと浮かびあがってくるものだ」という名言がある。 いわゆる人の魅力というものは人間関係にあらわれやすい。奥ゆかしく気品に満ちた人のまわり…

この道より我を生かす道はなし

ひと昔前から褒めて伸ばすことを推奨する世の中になってきた。いわゆる小さな成功体験を評価することで、少しずつ自己肯定感が高まり、今ここを精一杯生きようと、自分らしく前向きに行動する力が湧いてくるので、適切なタイミングで褒めることは、人の成長…

ロックンローラー

1985年11月、中野寿子さんはミスタードーナツ障害者リーダー米国留学派遣に、前年に引き続いて応募したところ受かり、翌春まで約半年間滞在するカリフォルニア州へ旅立っていきました。そこでの出来事をざっくりと言えば、初めての一人暮らしに、電動車椅子…

好きこそものの上手なれ

今週のNHK朝ドラ「ブギウギ」では、梅丸少女歌劇団のトップスター大和玲子が、壁にぶち当たっているヒロイン鈴子に対し、「焦っちゃダメよ。自分の個性みたいなものはね、いつか必ず見つかるから。続けていれば」と助言したところ、鈴子は悩みを見透かされた…

団結

かつて養護学校が義務教育になる前、施設整備等が遅れた地域では障害のある生徒に対して、就学猶予の適用がされて、登校しない代わりに教師が週数回ほど家庭を訪れて学習指導した。中野寿子さんも小中学生の頃はご多分に漏れず家の中ばかりで、そこで絵をた…

夢への架け橋

ユダヤの教えに「自分の言葉を、自分が渡る橋だと思いなさい。しっかりとした橋でなければ、貴方は渡らないでしょうから」がある。 この教えを美術家に当てはめれば、「言葉」ではなく「作品」になるだろう。とにかく、その作品に観るべきものがあったら、美…

無心

仏教用語の「無心」とは一つのことに精神を集中して、取り組んでいくことを指す。いわゆる自分自身を必要以上に大きく見せようとしたり、またはその逆に実際の自分自身の姿より評価を低く見積もるなど、心に邪念があると妄想や執着に縛られて、深遠の境地に…

若気の至り

「大いなる若気の至りが個性の芽を育てる」という名言がある。 いわゆる若さによる思い切った行動は、未来へのかけがえのない投資になる。ついつい失敗したくなくて、ものごとに及び腰で取り組めば、こじんまりとした成果に安住してしまう。目先の効率や損得…

ヒストリー

このたび個展を開催している中野寿子さんとは苗字は同じだけど血縁関係ではない。しかしながら、40年来の旧知の仲だから、親戚だと言っても過言ではない。とは言え、実際はまだまだよく知らないことばかり。特に知り合う前のヒストリーは、ざっくりとしたこ…

その先よ

昨日のNHK朝ドラ「ブギウギ」では、梅丸少女歌劇団に入団したヒロイン鈴子が、劇団のトップで憧れの大和礼子に思い余って話しかけた時、礼子に「あなた、どうして踊っているの?」と逆に問いかけられ、そこで鈴子は「どうしてって・・・、踊りたいから」と答え…

俯瞰

「目の前のことを『目の前のこと』として見るな。より高いところに心の目を置いて、『ずっと下で起こっていること』として観察せよ」という名言がある。 これはつまり俯瞰して見ると同じである。物事を判断する時に一部だけを見るのではない。対象となる物事…

承認欲求

いわゆる承認欲求とは、他者から認められたい欲求のこと。例えばこれは幼い子どもが大人に何かをアピールして、褒められたい時に表れる性質のひとつ。自分を評価してもらいたい気持ちは誰にでもあるから、緩和することはできたとしても、完全に抑え込むこと…

酔いしれる

中原中也の未完成の詩に「酒は誰でも酔わす。だが、どんなすぐれた詩も字の読めない人は酔わさない。だからといつて、酒が詩の上だなんて考える奴は『生活第一、芸術第二』なんて言つてろい」という一節がある。 中也はお酒を呑んで酔っ払うと暴れて、誰にで…

応用力

世阿弥が残した名言に「人の心にめづらしきと知る所、すなはち面白き心なり。花と、面白きと、めづらしきと、これ三つは同じ心なり」がある。 この場合の『花』とは、人を惹きつける魅力であり、人の心に意外性を感じさせる手段を指す。『花』と『おもしろさ…

好きなこと

漫画家 やなせたかしが残した「好きなことを見つけて、それを一生、やっていってほしい。見つからないなんて言っていないで、とにかく必死で探すのだ。絶対に何かひとつはあるはずだ」という名言がある。 どんな人でも何かして楽しかったら、なんとなく好き…

千里の道も一歩より

「小さいところから始めることだ。そして基礎を固めて成長し続ける。これがピラミッドが作られた方式である。これがトップに到達する方式でもある」という名言がある。 この言葉は要するに自分のできる範囲を超えたことまで、何が何でも到達しようと力まなく…

ダダイスト

詩人 中原中也は詩作に入る前の中学生の時に詠んでいた短歌に「芸術を遊びごとだと思ってる その心こそあわれなりけれ」がある。この短歌について中也記念館の解説文によると、第3句《思ってる》を他人とするか、自分とするかで、第5句《あはれなりけれ》の…

大風呂敷

「若い人は感性の大風呂敷を拡げて欲しい。ハンカチじゃだめだ」という名言がある。 この場合の大風呂敷とは、周囲に大きな目標を宣言して、あえて自分自身にプレッシャーを与えること。上手くやるためにどうすればいいのかを必死で考える環境に追い込むため…

段階

ニーチェの名言に「飛ぶことを学んで、それをいつか実現したいと思う者は、まず、立つこと、走ること、よじのぼること、踊ることを学ばなければならない。最初から飛ぶばかりでは、空高く飛ぶ力は獲得されない」がある。 この言葉を端的に言えば、物事を進め…

冒険心

スティーブ・ジョブズの著書に「リスクを冒し続ける人は、アーティストであり続ける。ディランもピカソも常にそのリスクを負い続けてきた」という名言がある。 いわゆるリスクという言葉はアラビア語で『今日の糧をかせぐ』が語源だと言われている。何か新し…