2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

汝自身を知れ

「くもりなき一つの月をもちながら、浮き世の雲に迷ひぬるかな」とは一休禅師の言葉で、人は誰でも曇りのない明るい月を心に持ちながら、浮き世のさまざまことに惑わされて、いつしか輝きがなくなるという意味である。 人はこの世にある善きものをたくさん見…

老人力

赤瀬川源平の著書に「ふつうは歳をとったとか、モーロクしたとか、あいつもだいぶボケたとかいうんだけど、そういう言葉の代わりに、『あいつもかなり老人力がついてきたな』というふうにいうのである。そうすると何だか、歳をとることに積極性が出てきてな…

路上観察

「気がつかないことを気がついた時の面白さってありますよね。見ているけど、気がつかないものを、気がつく面白さというのは、自分の中にまだ秘密がいっぱいあるというような」というのは、テレビ番組で芸術家 赤瀬川源平が飄々と語った言葉である。 20代初…

非凡さ

「生まれながらに才能のある者は、それを頼んで鍛錬を怠る、自惚れる。しかし、生まれつきの才能がない者は、何とか技術を身につけようと日々努力する」という織田信長の名言がある。 人は例え生まれ持った才能が良かったとしても、その後に何も勉強しなけれ…

七転び八起き

美術家になりたいと考えた人の多くは、友人知人に褒められて経験の持ち主。その勢いのまま素直に飛び込んでみると、現実はそうは問屋は卸してくれない。すぐに腕のいい人たちがいることを知り、さらにたくさんの偉人先人たちの存在に気が付く。いわゆる高い…

我が道を行く

「トマトにねえ いくら肥料をやったってさ メロンにはならねんだなあ トマトとねメロンをね いくら比べたってしょうがねんだなあ トマトよりメロンのほうが高級だなんて思っているのは人間だけだね それもね欲のふかい人間だけだな」という相田みつをの詩が…

我流

経営学者ドラッカーの著書に「選択肢を前にした若者が答えるべき問題は、正確には、何をしたらよいかではなく、自分を使って何をしたいかである」という名言がある。 とにかく現世は何をするにもネットの時代。なにしろありとあらゆる情報が瞬時に手に入れる…

人魚姫

アンデルセン童話の「人魚姫」。海の中で暮らす人魚の姫と人間の王子の悲恋を描いた物語。このお話しの根幹をなすのは、人魚姫は王子に会うために魔女に人間にして欲しいと頼み込み、魔女は人魚姫の美しい声と引替えに叶えたことと、さらに王子様が他の女性…

晴耕雨読

昨日の午後は雨が降りしきる中、山口情報芸術センター内にある市立図書館へ本を借り換えに行く。すると、この春に早期退職したばかりの友人とバッタリと出会い、「おおー、これぞ本物の晴耕雨読」と、リアルにことわざが成立したことに感激する。それにして…

ただ発見である

先週、お昼過ぎに所用で車を運転していると、カーラジオから偉人・先人の名言を紹介する番組が始まり、スペインで100年以上たった今もまだ完成していないサグラダファミリアを設計した建築家アントニ・ガウディの「世の中に新しい創造などない。あるのはただ…

恥を掻く

太宰治の言葉に「作品を発表するということは、恥を掻くことであります。神に告白することであります。そうして、もっと重大なことは、その告白によって神からゆるされるのではなくて、神の罰を受けることであります」がある。 そう言えば、20代の頃は山口の…

思考力

ことわざの「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれば只の人」とは、幼少時代は並外れてすぐれているように見えても、成長するにしたがって、まったくの平々凡々の人になることが多いというたとえである。私はこのことわざを、もとは天才的なセンスの持ち主で…

志に徹する

約8年前に知り合った長髪の若者がいる。当時はサラリーマンをしながらダンスやモデルをしていた。背がスラッとしているし、身のこなしが柔らかいので、どちらにやっても映えるように思った。それからしばらくして、彼が地元下関市で画廊を開くことにしたと報…

事前準備

いわゆる山登りが好きな人は、自分がこれから登ろうする山について、およそのどれくらい能力が必要なのかを調べるはず。例え簡単に登れる低山だったとしても、行き当たりばったりでは山の中腹で道に迷って、とんでもない方向へ進んで遭難する危険性が高まっ…

飛耳長目

松陰先生のお言葉に「事を論ずるにはまさに己の地 己の身より見を起こすべし」がある。これは何かを人と論じたいのなら、当たり前のことだけど、自分自身の実力や立場から考え始めるべきで、そうした方が物事を着実に進めていけるという意味だ。やはり、いく…

3人のレンガ職人

イソップ寓話の「3人のレンガ職人」。世界中をまわる旅人がある町外れの一本道を歩いていた時に、次々に出会う3人の職人に「なにをしているのか」の問いかける。その答えは三者三様。最初の職人は「見ればわかるだろう、レンガ積みに決まっている」と言い、…

もっと喜ぼう

哲学者 ニーチェの言葉に「もっと喜ぼう。ちょっといいことがあっただけでも、うんと喜ぼう。喜ぶことは気持ちいいし、体の免疫力だって上がる。恥ずかしがらず、我慢せず、遠慮せず、喜ぼう。笑おう」がある。 いわゆる不機嫌な気持ちになるのは、その人の…

夢中

一昨日は、新型コロナ感染症が流行した影響で実に4年ぶりの開催となった、臼杵万理実さん親子が主宰する子ども絵画教室の作品発表展の会場へ参上する。この間、陽性患者数の動向を見極めながら、教室を休んでみたり少人数で短い時間に集中して行うなど、とに…

急がばまわれ

空へ向かって勢いよく育った木は、上の方ばかりへすくすくと伸びるため、肝心の幹が細くて弱々しくなりやすい。それ故、もし強風が吹くことがあったら、その圧に耐えきれず折れてしまう。これとは違い、曲がりくねりながら育った木は、なかなか上へ伸びずに…

青春時代

いつの時代も高校サッカーは青春をかけて臨む舞台にふさわしい。自分の限界なんてわからない若者たちが、どんなに非力であっても、まだまだ未熟であっても、チームを背負って生きていくだけ。いつもサッカー文化とは何かをひたむきに問い続けてみる。毎日毎…

決心

「富士山に登ろうと心に決めた人だけが富士山に登っている。散歩のついでに富士山に登った人はいない」という格言がある。 なにかの目標を立てて達成したいと思うのなら、なにはさておいても心の準備が大切になってくる。とにかく、ひとたび目標を決めたら達…

すべての道はローマに通ず

「経験は最良の教師である。ただし、授業料が高すぎる」という言葉がある。これは新しいことへ挑戦していけば、未経験のため必ず壁にぶち当たる。しかし、どんなに失敗してひどい目にあっても、それらはすべて学びの機会だと割り切ろう。そんな前向きな姿勢…

梱包されたホスピス

昨夕、山口情報芸術センター(YCAM)内にある市立図書館へ本を借り換えに行った後、外に出て何気なく周囲を見渡せば、目の前の病院が新築のための取り壊し準備が行われていた。私はその風景をしばらくぼんやりと眺めていると、頭の中に現代アートの巨匠の名…

ご縁

10年前、ギャラリーに出入りしていた若者が企画を持ち込む。それは芸能界で隆盛を誇っていたAKB48総選挙を参考にして、美術家を目指す若い女性たちに出展を呼びかけ、ハガキ売上枚数を競い合うグループ展だった。なんともベタなコンセプトで、お堅い人の多い…

寛容さ

「失敗したら、どうしよう?と考える前に自分に自信を持つことから始めてみよう。失敗は失敗で得られるものがあるから、悪いことではない。むしろ頻繁に失敗した方が得られるものが多いのだ」という名言がある。 いわゆる米国のシリコンバレーは、西部開拓時…

道一筋

先週末、都会から帰省して来た幼馴染と会って、小一時間ほど旧交を温めていた時、私のあまりの欲の少なさに「もう枯れ始めてるんじゃないか?」と心配してもらった。ただし、誤解を恐れずに言えば、私は基本的に収入がよくないから、お金で満たすことのでき…

産婆術

哲学者ソクラテスが用いた問答法のことを産婆術という。これは問答を通して、相手の知識のあいまいさや矛盾を指摘し、無知の自覚を呼び起こすことによって、正しい認識を生み出すように導くこと。要するに相手が自ら真理に到達するのを助けるだけであるとし…

人事を尽くして天命を待つ

今の美術は鋭い感性の持ち主でなくてもやっていける。なぜなら、誰でも作品制作に必要な情報を手にできるようになった。いわゆるビックデータから必要なものをすくい上げて、馴染めそうなものを上手く活用すればいい。自分の理想に近いものを拾い集めて、試…

キャッチボール

野球用語のキャッチボールとは、基本的にふたりの人が少し離れた場所で立ち、一つのボールを向き合って交互に投げたり受けたりを繰り返すこと。試合や練習する前にボールを軽く投げて、肩の調子を整える準備運動として行われている。また、このコミュニケー…

戒め

岡本太郎の著書へ「人間は自分をきつい条件の中に追い込んだたきに、初めて意志の強弱が出てくる。この点を、実に多くの人がカン違いしている。たとえば、画家にしても才能があるから絵を描いているんだろうとか、情熱があるから行動できるんだとか人は言う…