誠心誠意

臨済宗中興の祖 白隠禅師が常とう語として愛した「動中の工夫は静中に勝ること百千億倍す」。これは心を静かにして坐禅するだけが修行ではない。日々の炊事、洗濯、掃除などのことに、誠心誠意を込めて体を動かして汗を流すことも立派な修行になる。すなわち…

切磋琢磨

松陰先生が残した「どんな人間でも一つや二つは素晴らしい能力を持っているのである。 その素晴らしいところを大切に育てていけば、一人前の人間になる。 これこそが人を大切にするうえで最も大事なことだ」という名言がある。 人はそれぞれ、その人にしかな…

日常は感動に溢れている

先々週の日曜日、りおた君の結婚パーティへ参加するために、隣町まで行きは列車に乗って、帰りはこの区間を高校時代以来バスに乗った。実はずっとバスで通学する。だから懐かしいと言いたいけれど、もうここまでブランクが長ければ、目新しいことばかり。目…

運鈍根

昨日は急遽予定を変更して、そごう広島店で始まったばかり「りおたとやまぐち展」へ行くために新山口駅のプラットフォームに立っていたら、なんと、りおた君がやって来たので、同じ新幹線で向かうことになった。これは運行本数に限りがあるから必然的なこと…

夢中!

少し前のこと、お二人はプロ組織になった頃のレノファ山口に、それぞれの立場からサポートするうちに知り合う。そこではその他に大勢の人たちとも仲良くなって、みんなでJリーグへ昇格することを夢見てワクワクしながら支えていた。 やはり情熱を傾けられる…

夢中

昨日の午後、レ昇るさんの個展を観るために、イラストレーター コサカダイキ君がやって来て、年齢は倍以上違うのに美術談義で盛り上がっていた。やはり互いに少しでも向上したい思いが強いから自然と熱を帯びてくる。我武者羅な気持ちが重なり合うと、どんど…

思い込み

岡本太郎が残した「他人を型にはめ込んでしまわず、自分の生きるふくらみとして、いつも積極的に見かえせば、思わぬ新鮮な人間像を発見するよ。誰だってみんな面白い」という名言がある。 そんなやり方で表現した作品はこれまでの美術の世界にない。だから頑…

人に歴史あり

人に歴史ありなんていうけど、みんなそれぞれに自分史があるので、どんな人でも人生を題材にすれば、一冊の小説を書くことができるはずだ。ただいま個展開催中のレ昇るさんのこれまでの人生もなかなかドラマチックなもの。約30年前にウィンドウズ95を購入し…

一心

その道で才能を活かして生きようと思っているなら、それに見合った努力しなければならない。例えば小説家になりたい人は読書量、スポーツ選手になりたい人は練習量など、スタートラインへ立つために最低限に必要な実力を養わなければいけない。 それならば、…

若さ

岡本太郎の著書に「夢を見ることは青春の特権だ。これはなにも暦の上の年齢とは関係ない。10代でも、どうしようもない年寄りもいるし、70、80になってもハツラツとして夢を見続けている若者もいる。だから年齢の問題ではないが、青年の心には夢が燃えている…

脚本

「人生というドラマにおいては、自分を主役にして脚本を書いた人と、目的意識もなく惰性で生きた人とでは、たいへんな違いができるのです」という名言がある。 いわゆる美術家として生きていきたいのなら、どんな脚本を書いてみたらいいのか?こんな時はなん…

裸坊祭り

40数年前、どんな学校なのかよく知らむまま受験して、防府天満宮の近くある私学へ進学する。将来のことを深く考えないで、訳のわからないまま飛び込んだ。なんとも無謀な話し。なんてたって男子校でヤンチャな人たちが大勢いて、すぐ隣りに防府競輪があって…

結婚記念祭り

昨日はお昼から行われるイラストレーターりおた君の結婚記念祭に参上するため、山口駅から防府駅までJ列車で移動したところ、車内は10代の若者や子育て世代の家族連れで明るく賑わっていた。嗚呼、出足好調。気分のいいまま到着して、駅では友人に頼まれた図…

ゴールを設定

昨夜のNHK総合「新プロジェクトX 挑戦者たち」は、携帯電話開発競争に出遅れた後発端末メーカーで、畑違いの会社から集まった弱小タッグによって、起死回生でカメラ付き携帯電話を創り出すまでのドキュメンタリー。反骨のエンジニアたちが無理難題を乗り越え…

吉凶は人によりて日によらず

吉田兼好が残した「吉凶は人によりて日によらず」とは、運の善し悪し、成功不成功は人間の行動いかんによるもので、時や日にはよらないという意味である。 よく自分はまだまだ若いと言って、今やるべきことを先延ばしたりする。今日は天気が悪いとか、縁起が…

マイペース

画家 熊谷守一の著書に「二科の研究所の書生さんに『どうしたらいい絵がかけるか』と聞かれたときなど、わたしは、『自分を活かす自然な絵をかけばいい』と答えていました。下品な人は下品な絵をかきなさい、ばかな人はばかな絵をかきなさい、下手な人は下手…

個性を磨く

岡本太郎の著書に「ぼくのコミュニケーションに対して、賛成でも反対でもいい、応じてくれる人全部が、ぼくの友達だ」という名言がある。 その昔から美術作家と会って話してみれば、個性的な思考や感覚をしているので、一般社会の人たちにとって、普段では味…

ひっそりと

東京か、パリか、ニューヨークでなくてはという考え方は昔日のものだと思っている。これはあくまで私の年齢で言えることで、若い人はそうでなく、別の考えを持っているかもしれぬが、私は私のことだけを考え行動に移せばよいのである。今からなおさらそんな…

若木の下で笠を脱げ

先週、この春に大学へ進学する若者とひさしぶりに出会う。おぉ、顔つきは幼さが抜けはじめ、微妙に大人っぽくなって、背の高さはいつの間にか抜かれてしまった。10数年前に知り合った頃は小学1年生だったから、身心ともにすくすくとよく伸びている。この調子…

さくらさくらさく さくらちるさくら

「さくらさくらさくさくらちるさくら」とは漂泊の俳人 種田山頭火の句。これは要するに「桜、桜、咲く桜、散る桜」と漢字を使って表記すれば、言いたいことはハッキリとしてくる。そこをあえてすべて平仮名にすることで、暗号のような不思議な感覚を醸し出す…

噓も方便

ことわざにある「嘘も方便」とは、仏が現世で苦しみ悩んでいる人たちを救済し、悟りへと導くための便宜上の手段として嘘をつくこともある。そのことを踏まえて、教えを乞う人をより高い境地に導くための嘘なら許容範囲。いわゆる大きな善行の前では、ある程…

初心忘るべからず

「是非の初心忘るべからず。時事の初心忘るべからず。老後の初心忘るべからず」という世阿弥の名言がある。 これは始めたばかりで未熟だった芸を忘れず、それを判断基準にして技量を磨いて向上させていく。また、その年齢にふさわしい芸にするために、これま…

恩送り

昨日、年下の友から電話で彼の義父であり、また県高校サッカー界のゴットファザーの訃報を告げられた。私は突然の知らせに息を飲み込んだ後、お悔やみとともに在りし日のお姿を偲んだ。結局、直接お話ししたことはないけど、30数年前まで母校サッカー部の行…

チャンス!

先月下旬、都会で美術を勉強している若者から電話がかかってきた。何ごとかと思いながら出てみると、その正体は操作誤りによる間違い電話。しかし、この数日前に彼女のSNSで大学院修了式の模様を見ていたので、タイムリーにお祝いが言えて良かった。偶然とは…

憧れ

誰だって子供時代は何かに憧れて、理想の未来の姿を想像していく。まだ人生の先行きが決まっていないからこそ、自分をどんなにカッコよくイメージしても、やり過ぎってことにはならない。子供の成長とって大切なのは心を熱くする憧れの存在。たとえ馬鹿にさ…

若さ故

一昨日の午後、13歳の中学生が今描いている最中の絵を見せるために姿を現す。実はここのところ、同じ理由でよくやって来る。とにかく純度100%の年齢。何ごとも鋭く本質を射抜こうとする。だから、中途半端なことを言ったら容赦がない。どこまで噛み砕いて言…

ここから

46年前、山口県には公立美術館がまだ一つもない時代に、山口市という全国の県庁所在地で一番人口の少ない街で、当ギャラリーはひっそりと産声を上げる。母が倉敷市の美観地区にあるような小さな文化交流施設を目指して、何の計画性のないまま無謀をもって始…

目力

松陰先生が残した「悔いるよりも、今日直ちに決意して、仕事を始め技術をためすべきである。何も着手に年齢の早い晩い(おそい)は問題にならない」という名言がある。 美術の世界において、どれくらいのキャリアやレベル、または年齢の人を新人賞の対象にし…

人間万事塞翁が馬

ことわざの「人間万事塞翁が馬」とは、将来のことは予測できないから、幸せなことが不幸になったり、不幸なことが幸せになったりと、いつ転じるのかはわからない。そのゆえ、ものごとの結果に対して一喜一憂や右往左往してはいけないという意味である。 例え…

リープフロッグ

先週末、テレビ番組で知った「リープフロッグ(蛙の跳躍)現象」。ビジネス領域において新興国が先進国から遅れて新しい技術に追いつく際に、既存の技術を導入する前に、さらに新しい技術を導入するため、通常の段階的な進化を踏むことなく、すべて飛び越し…