2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

人生という名の旅

「本能にしたがって歩くのがいいのだ。 ぼくは磁石を信用したことなどないし、磁石は人間の自然な感覚を惑わせるもの」というのは、童話ムーミンに出てくる自由な旅人スナフキンの言葉である。 いわゆる人生は旅として例えられることが多い。さまざまな土地…

鳩と青年

1954年、香月泰男画伯は戦争反対の意思表示として「鳩と青年」という作品を描かれた。この作品は後にシベリアシリーズ誕生のきっかけと言われ、青年像は十字架上のキリストの腕や、画伯が満州国で目にした全裸の屍骸(しがい)をモチーフしたと言われている…

グローバル化

いわゆる先進国と言われる国々の生活水準は高く、その繁栄する豊かな社会を維持していくには、とてつもなく多くの資源が必要になってくる。これを何年か前までは後進国や途上国からの輸入でまかなうことができたけど、今やあらゆる国々が自分たちも欧米型経…

安穏無事

先日、ネット検索で美術関係の著書を調べていると、たくさんのふしぎ傑作集『絵とき ゾウの時間とネズミの時間』(福音館書店 1300円+税)を発見する。そこで紹介文読んでみると「意外なことから、動物たちの一生を考える。“体の大きさがちがったら、食べる…

もじる

「もじる」とは、既存作品から要素を拝借してつくること。一般的によく知られた作品の言いまわしなどをもとに、主にパロディのようなものを加えて違った表現していく。本質を押さえながら言い回しを換えて構成し、ウィットやユーモアが豊かに織り込んでいる…

矛盾

「ぼくはこうしなさいとか、こうすべきだなんて言うつもりはない。『ぼくだったらこうする』と言うだけだ。それに共感する人、反発する人、それはご自由だ 」というのは岡本太郎の言葉だ。 甘い言葉とやさしい言葉は似て非なるもの。甘い言葉はその瞬間は癒…

プロフェショナル

ピカッと頭にひらめいたことを、手を通してカタチのあるものにし、新しい創造をつくっていく。どういうふうにしたら面白くなるかを、自分の理想へのイメージへ向かい、常に努力して具現化する才能を磨いていく。ただし、人の努力はいつの場合でも最良の結果…

差異化

昨日に続いて、NHKEテレ SWITCHインタビュー達人達で、『バーチャル渋谷』のプロデューサー中馬和彦氏とNYを基点に世界中で活動する建築家 重松象平氏の対談の中から、以下の重松氏の持論を抜粋して書き起こす。 今のこういう大規模開発は、どうしてもある…

メタバース

先週末、NHKEテレ SWITCHインタビュー達人達は、革新的な都市連動型メタバースの『バーチャル渋谷』のプロデューサー中馬和彦とNYを拠点に世界各地で活躍する建築家重松象平の同級生コンビが対談。メタバーストとは、メタ(超越)とユニバース(宇宙)を合…

三方良し

近江商人の心得と言えば『三方良し』である。これは売り手よし、買い手よし、世間よしのことで、売った商人には利益が生まれて、買ったお客様にも喜んでもらい、さらに社会にも役立ち豊かになる商いを目指すことだ。つまり、自分ばかり儲けようという発想で…

晴れ舞台

「大舞台は人を変える、人を作る。潜在能力や潜在意識を残酷ほどに拡大して見せる。ある人は才能に気づき、ある人は気弱を発見して狼狽する。しかし、大舞台は結果に責任を持たない。変えるだけである。甲子園ほど、見事な大舞台を知らない」というのは、阿…

孤高の精神

先日の午後、夕方に会う約束をした美術家のおみやげに持っていく焼き菓子を買うために、馴染みの洋菓子店へ行ってみると、店内は日頃と様相が違って、ほぼチョコレートだらけのランナップだった。そうか、これが世にいうバレンタインデーシフトというものな…

NHK連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ。安子、るい、ひなたの三世代ヒロインが紡ぐ、戦前の昭和から現代の令和までの、家族三世代100年にわたる物語。このドラマの序章になる安子編は、たった15分間に波乱万丈な人間模様のてんこ盛りに、一瞬たりともテレ…

運は運ぶもの

先週、NHK総合で昨年9月に行われたカーリング女子日本代表決定戦のドキュメンタリー番組が放映され、北京五輪への切符をかけて、先に3勝した方が勝者になる頂上決戦と舞台裏を振り返る。この戦いは、ロコソラーレ(北京五輪代表)は北海道銀行の正確無比なシ…

純粋純情

昨日、県美での山大卒業制作展へ。ちょうど出展者によるトークの時間と重なり賑わっていた。いつもながら卒業制作展というものは、学生時代の最後のページを彩る舞台。ひとりひとりが最高のパフォーマンスを求める。誰はばかることなく期待に胸を躍らせて個…

無条件の若さ

「この銀メダルという結果は、自分がオリンピックを夢として、頑張ってきた数年間の詰まった、すべてが詰まった銀メダルだと思うので、今まで苦しかったこともありましたけど、それも乗り越えての今回の演技、今回の結果になったと思うので、とても自分の成…

西日

昨年の暮れ、下関市でいくつかの用事をすませた後に、転居されたお客様宅へ車で向かう。まったく土地勘のない場所だったけど、カーナビのおかげで目的地へ案内してもらえる、しかし、気象条件が加味されていないため、想定外のスリリングなドライブが待って…

本物の輝き

「あーしんどかったなあって、本当に、正直に言っちゃうと、努力って報われないなって思いました。どんなに、どんなにいろんなことを積んできても、どんなに正しいことをやってきても、報われないときは報われないんだなって。でも、きっと僕が表現したかっ…

慣れることに慣れない

「慣れることに慣れてはいけない」という名言がある。その意味は習慣というものは善くなることもあり、悪くなることもあるから、とりわけ注意していなければならない。とにかく、同じようなことを習慣にしたとしても、精進になるのだったら良い結果に繋がり…

ポジティブ

「地味な努力こそ、派手になれる。派手になれば、周りが見え出す。周りが見え出せば、大人になれる。でも、心は少年で生き続けたい」というのは、ビックボスこと、日ハム 新庄剛志監督の言葉である。 昨日の夕方、アラサーの野郎どもと美術談義に花咲かせる…

孤高の精神

「人間にとって成功とはいったいなんだろう。結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか」というのは岡本太郎の言葉だ。 創作の世界にゴールなんてものはない。美術家は永遠に向上することを夢見て、いつ…

アプロプリエーション

現代アートの手法に、過去の他者の作品の一部または全部を意図的に取り込んで、自らのアート作品として使用することを「アプロプリエーション」という。この手法はすでに流通している写真や広告などを、引用できる許容範囲を大幅に超えて作品に取り込み、コ…

倫理

「人は他人の著作の意味を自分の先入観に都合のよいように曲げたがる。そこで無神論者は、あらゆる著者を無神論に引き戻して得意になる。自分のもっている毒で、汚れのない材料を毒するのだ」という名言がある。 先週、期待の若者がTwitterでフォロー中のイ…

暗黙の了解

『暗黙の了解』という慣用句は、口に出して明言しないものの、当事者間の理解や納得が得られているさま。言葉にしなくても皆が了承していることを言う。美術の世界には、この暗黙の了解と同じようなものが存在している。それは、個々の人々の生まれ育った環…

「失敗をおそれずに挑戦するからこそ、アーティストなんだ。ボブ・ディランもピカソも挑戦し続けていた」という名言がある。 時代はいつも日進月歩。新しいものが次々に生まれては消え去っていく。うかうかしていると取り残されるだけ。昨日までの常識が今日…

推し、萌ゆ

先週末、NHK Eテレ SWITCHインタビュー 達人達は、英国でも活躍するバレリーナ吉田都と「推し、燃ゆ」で芥川賞を受賞した新進気鋭の作家 宇佐見りんが対談。いわゆる「推しを推す」という言葉は、自分の好きな人や物を応援することを指す。アイドルユニット…

みえるとか みえないとか

先週、Tカードのポイントがそこそこ貯まったので、それに現金を足して本を何冊かネットで購入する。私は真夏に生まれたせいか、とにかく冬の寒さは身に染みて苦手で、1年の中でもっとも活動量が減ってしまう。それにともない読書への意欲も淡白になり、余程…

みすゞ

昨夜、NHK Eテレ100分de名著「金子みすゞ詩集(4) ことばで響き合う未来へ」の予告編を見たため、それならNHKオンデマンドで過去の3回も見ようとしたところ、「第2回 視点の逆転、想像の飛躍」を面白く感じたので、そのままこの回を繰り返し見続けてしまう。 …