2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

目的

県美展というものは入賞入選することだけがすべてではない。たしかに審査員によって作品の優劣は付けられるものの、自主的に創作に取り組んでいる人にとっては、それはあくまでも通過点でしかならない。結果はとても大切なことだが、それに振り回されてはい…

我思う故にわれあり

毎日毎日、いろんな情報が湯水のごとく湧き出して、次から次にとめどなく溢れている。それがあまり興味がないものなら、軽く触れて流してもいいだろう。しかし、自分にとって大事なものであるのなら、例え専門家であっても鵜呑みにしていけない。一度、自分…

行動力

先日、あるお方から「県美展にはどのような作品を出展したらいいのでしょうか?」と尋ねられる。実はこのような質問は県美展の会期が近づくたびにいつもあること。その昔、私が若かった頃はいっぱしのことを言おうと背伸びしていた。どこかで聴いたことがあ…

好奇心のアンテナ

人は誰でもいつも何かと出会いたくてうずうずしている。ちょっとしたことをきっかけに始まる縁を探している。ただし、やみくもにあれこれやっていると、時間はいくらあっても足らない。自分に投資できる時間は無限ではないのだ。どこかの時点で回収すること…

品格

「地位が人をつくり、環境が人を育てる」という、プロ野球の名将だった野村克也氏の言葉がある。その意味は強打者として4番に据えれば、4番らしい風格や自信がみなぎって、プレーにも好影響を与えるということだ。一番の花形プレーヤーの4番になったのだから…

立つ鳥、あとを濁さず

美術についてあれこれと質問された時、私はできる限りわかりやすく語っている。それは余計な前置きをして語るより、シンプルに本質から入っていくことで、受け止める方へ真っ直ぐに伝わるからだ。如何にも知っているかように振る舞って、その場を力説して良…

ここ一番

誰でも成長をつかむタイミングというのか、ここ一番のかけがえのないチャンスがある。その状態がどんな時に訪れるのかは人によってまちまちなもの。例えば真面目に勉強している時に感じる人もいれば、ラーメンを食べる時に浮かぶ人もいて、また、くしゃみし…

他山の石

県美展の公開審査会。これが始まった頃は続けて通ったが、気がつくといつの間にか足が遠のいていた。その理由は至ってシンプル。甲乙を付ける場面が辛くなったから。親しい作家が落選してしまうと面白くないし、そうじゃない人でも痛々しく感じる時がある。…

ローカルルール!

山口県美術展覧会には独特のルールが5つほどある。1つ目は県出身や在住者に限らず自由に応募できるため、県外はおろか海外からの出展も可能である。2つ目は審査を厳正にするために、審査員は県外からの専門家を起用する。縁故関係が生じないように配慮されて…

置き換える

このたびの大学センター試験で出題された国語の現代文。受験生諸君には申し訳ないけど、文章がとても素敵だと感じたため、何度も読み返しては楽しんでしまった。そう、問題の答えを考えているわけではない。純粋に文章の言葉を心に響かせて、今の自分自身の…

アウトロー

同じ目的地へ向かうのなら最短コースを選ぶのが常識だろう。うっかり遠回りしてしまうと、走り出した時点で夢想家と言われ、浮世離れしている人とレッテルを張られそう。ただし、これまで多くの人が歩んでいたからといって、今現在もそのまま歩める道だとは…

大器晩成

約15年前のある日、ギャラリーへひとりの高校生がやって来た。その姿をひと目見た瞬間、美大志望の学生だと思った。それは彼のオーラがとても眩しかったのと、手に飛び散った絵の具の破片があったからだ。しかし、実際は偶然にも体育祭のために横断幕を作っ…

はみ出しいく

若い時というものは未来への希望と恐怖が何度も交錯していくもの。この時、しびれを切らさずにひたむきに努力すれば、たいていの場合は希望が勝つことが多い。伝統的に続いている定番の様式より、新しく創り出す世界を重視する。だから美術家になりたいと思…

素直に

「幸福を感じるのには、童心とか、無心とか、素直さとか、いうものが必要である」という名言がある。この言葉をわかりやすく言ったら、自分の直感でめっちゃいいと思うことは、そのままめっちゃいいで肯定しようという意味だ。ついつい理屈で考えるとこの隙…

俯瞰する

人は誰でも自分の感性によって判断できるものがあって、また、それがその人にとって一番ふさわしい世界だったりする。みんな誰もが同じように見えているものでも、実際は人それぞれ感覚の違いがあるため、一方からすれば誤りだと言われて、もう一方からすれ…

汝自身を知れ

公募展に挑戦して落選するということは、軽く風邪をひいたようなものだ。決して、その人の創作や人生観を否定されたわけじゃない。けれど、近年は美術を取り巻く環境が大きく変化し、漠然とした不安を抱えている人にとってはショックになるかも。中には明後…

爪の垢を煎じて飲む

昨日、開店時間前に予告もなしにY先生がお越しになって、ご自身のご先祖様が萩から山口へ伝えて新しく生まれた、焼きもの文化を再現した作品を丁寧にご覧いただいた。私はすぐに作者に連絡した後、ここに来るまでの時間を繋ぐために、先生とざっくばらんにお…

未知へ向かっていく!

人工知能とは人間の脳が行う知的な作業をコンピュータで再現していく技術のことだ。この先、未来では人間の能力を越えると言われている。ビックデータから価値のあるものを選び、これまでにない新たな知見や洞察を見い出し、最適なやり方で問題を解決する方…

チャンス

人との出会うチャンスはめぐりめぐってやってくる。自分の個性を活かしてするべきこと、進むべきことに向かって歩いていたら、その道の先には心を通わせる人が待っている。そんな日がいつ来るのかはわからないけど、自分の好きなものにこだわり続けていれば…

アイドル

アイドルという言葉がある。その意味は「偶像」や「崇拝される人やもの」なのだが、一般的には「アイドル歌手」として、憧れの的や熱狂的なファンを持つ人、この他、実力はないが人気が高い若者に対して使われる。本来、素晴らしいという意味で使われるはず…

我が道を進む!

これまで素晴らしいと言われた美術であっても、時代は変わっていくから、そのままじゃいられないもの。美術史上、極めて高い評価であるのは間違いないけど、みんなが良いというからといって、ずっと同じままでいることはない。専門家の声、ファンの考え方と…

断捨離

人は誰でもいつも何かを考えたり、新しいことを想像するのこと好きだ。時に細切れの時間に、ぼやっとすることもあるけど、この現象は頭の中をリセットして、刺激が入るスペースを作っているだけ。ジャンプする前には1度しゃがむように、英知を授かるために必…

サイクル

この冬はここまで例年よりも暖かくて、昨年の厳しい寒波と比べたら大違いだ。特に私は真夏生まれのため、子供の頃から冬の寒さは苦手で、冬眠したように動きが悪くなる。しかし、今のところは普段とほとんど変わりない。頭はそれなりに回転して、やる気も同…

創意工夫

私が若かった頃の美術家と言ったら、反体制や反社会的な気質があって、檻から抜け出していったような、規格外の野性味のある人が目立っていた。それは今から思えば社会がしっかりしていたからアンチが成立っていた。いわゆる本流が安定していることで、ただ…

進化

先月、親しい若者の結婚式に参列し、自分のスピーチもそれなりにこなせて、とても楽しくて素敵な時間になった。そして、宴の中で新郎の元会社の同僚たちが歌った中島みゆきさんの「糸」。ラジオなどで何回か耳にしたことはあったが、こういう機会に拝聴する…

育む

10年前、年に1度の講義がきっかけで知り合った学生さん。とても控えめ性格で個性豊かな同級生の陰に隠れて目立つことはなかった。そんな彼女の存在に気が付いたのは卒業制作展の時だった。3枚ほど展示してあった作品は、構成力も技術力も甘くてまだまだとい…

オンリーワン

美術家とは群れることが嫌いな人が志すべき世界だ。人と違う自分の持ち味を活かして、それを伸ばして独自性の高い表現を目指す。世間一般の常識や流行に染まって、みんなと同じになることを良しとはしない。自分自身の信念に基づいて、ただ1人でも歩けるタフ…

正体

この世の中で一番わからないものは何か?と尋ねられたら、「それは自分自身のことですよね」と返答すれば良いと思っている。そもそも自分とは何者なのだろうか?何をやったら上手くいって、どんなことに可能性を持っているのか。人生はそれを知るためにある…

以心伝心

世の中にはいろいろなルールが存在している。そのルールというものは六法全書に掲載されたものばかりではない。各家庭に代々受け継がれたものから地域に伝わる独自性の強いものまで多種多様にある。それらがうっとうし感じる時もあるけど、あるからこそ秩序…

アンテナ

近年、スマホが普及した社会では手軽に必要な情報が得られるようになった。しかし、その便利さに依存することが当たり前になって、自分なりに知恵を絞り出すことが減っている。ついつい正解することにこだわり、初めから答えありきになって、自分らしい考え…