2023-01-01から1年間の記事一覧

青春

1960年、東京五輪サッカー日本代表を強化するために、ドイツより招聘されたデットマール・クラマー氏は、サッカーを基本から徹底的に教えるだけではなく、サッカーを通じて人間力の向上を目指した。その甲斐あって選手たちに自信をもたらし、東京五輪ではベ…

非凡

いわゆる世間一般の人は権威的なものに弱くて流されやすい。これは武士の時代に殿様のお墨付きという文化があったため、その世界の権威や権力を持つ者の意志に従うことに馴れているのかもしれない。とは言え、見る目のある人が選んだものには、それなりに合…

どこでもドア

漫画のドラえもんとは、22世紀の未来から勉強もスポーツも苦手な小学生・野比のび太を助けるために、のび太の子孫が送り込んで来たネコ型ロボット。何をしてもヘマばかりして、思い通りにいかないのび太に、四次元ポケットから出す多種多様の道具で、それな…

月光仮面

1958年2月、元祖ヒーロー番組「月光仮面」がテレビで始まり、テーマソングの『どこの誰かは知らないけれど、誰もがみんな知っている』の歌詞は流行語になり、当時の少年たちはよく口ずさんでいた。その中にヌマさんもいたはず。なぜなら、本名は知らないけれ…

運命の糸車

1968年、ヌマさんは創設したばかりの山口芸術短期大学へ入学。美術世界への第一歩を踏み出す。多くの仲間たちと知り合うとともに、県美術界重鎮の三好正直先生ともめぐり合い、ヌマさんの運命の歯車を大きく動かした。なぜなら、翌年の春休みに三好先生から…

魔法

私とヌマさんとのご縁は中3の時に始まる。とにかく、その個性的な出で立ちに驚かされて、どういう風に接すればいいのかわからなかった。なんてたって世間様の目が今の何百倍も厳しくて、常識や建前を声高にかたる保守的な人たちが多い時代に、堂々と自分らし…

恩送り

昨日のクリスマスイブ、美術をはじめとして、演劇、音楽、映画など様々な文化芸術をこよなく愛し、それらが行われる場所で出会った老若男女問わず楽しく語り合って、創造的な世界の素晴らしさを広めて、山口市文化を縁の下の力持ちとして支えていたヌマさん…

磨く

いわゆるアート作品とは、観る人の心に鮮烈なものを感じさせること。印象に残るものが好まれる。ただし、なんでもかんでも奇をてらって創ればいい訳ではない。いくら誰もやらなかったことでも、本質から的外れになるのなら意味がない。まずは基本的なことを…

辛抱する木に花が咲く

サッカー日本代表元監督の岡田武史氏の著書に「運やチャンスというのは誰にでも同じように巡ってきていて、それに気づいて掴むか、掴み損ねるかのどちらかなんですよ。たった1回の『まあいいや』によって運を掴み損ねて勝てないかもしれないんです。僕はそれ…

エンパシー

ギリシャ語に由来するエンパシー(Empathy)という言葉がある。これは、自分とは異なる価値観や考え方を持つ他人に自己を投影し、相手が何を考えているのか、どう感じているのかを想像する力のこと。また、『共感』『感情移入』『自己移入』と訳され、自己の…

我以外皆我師

韓非子の思想書に「知っていても知らないふりで質問すると、知らないことまでよく分かる。一つのことを深く知ると、隠されていた多くのことを知ることが出来る」と言う名言がある。 私は何かに夢中になっている人と話す時は聞き役に徹するようにしている。例…

ゴッホが残した「仕事とは給料を家に持ち帰るために行うものではない。それは情熱によって行うものである」という名言がある。 いわゆる仕事をしてお金を得ることは大切なこと。少しでもよく稼ぐために努力するしかない。さまざまな訓練や学習によって、必要…

初心者根性

フランスの小説家 ジュール・ルナールの「芸術家とは、才能があって、いつでも初心者のつもりでいる人間のことだ」という言葉がある。何ごとも慣れてくると慢心を起こしやすい。いつの間にか制作し始めた頃の謙虚な気持ちを失い、天狗になっていい気分で酔い…

褒めること

この世の中は人の欠点をあげつらうことは簡単なことである。なぜなら、人はそもそも神様のように万能ではないから、いくら真面目にやったとしても失敗は付きもの。それ故、何もしないでじっと幸運と巡りあう日を待つより、何回失敗してもいいから挑戦した方…

スプーン一杯のしあわせ

先週、ドラックストアで買い物をした後に、レジで商品を清算して、ウエストポーチから財布を取り出した時に、千円札を気が付かずに落としてしまった。目の前の店員さんはそのことを教えようと指を差した瞬間、後ろに並んでいた高齢の紳士が「落ちましたよ」…

まける練習

相田みつをの言葉に「柔道の基本は受身。受身とはころぶ練習。まける練習。人の前にぶざまに恥をさらす稽古。受身が身につけば達人。まけることの尊さがわかるから」がある。 この世の中、自分が思ったようにならないことだらけ。夢はそうそう簡単には叶って…

『北風と太陽』

イソップ童話の『北風と太陽』とは、どちらが偉いのかを口論し、旅人のマントを脱がせた方を勝ちにして競い合う物語。北風はマントを猛烈な風で吹き飛ばそうとするが、旅人は寒さもあってマントをきつく身体に巻き付けて剥がれない。片や太陽は旅人を暖かく…

一隅を照らす

「一隅を照らす」とは、今自分ができることを精一杯やれば、その生命力の輝きによって、周囲を明るくしていけるという意味で、私の人生のモットーと言うべき言葉である。なぜなら、ローカルのアートシーンで活動しているため、都会の画廊みたいなことはでき…

『熱』

私にとって今年1年にあったことを漢字ひと文字で表すとしたら「熱」である。いわゆるコロナ感染症がひと段落してきたことで人流が活発化してきた。ここギャラリーに集まる面々による美術談義も、密になれなかった年月を埋め合わせようとして、いろんなことの…

身の丈

「我々は年をとることで老いるのではなく成熟するのだ」というのはピカソの名言だ。私は来年8月に還暦を迎えるので、とても共感できるいい言葉である。たしかに残念ながら肉体はどんどん衰えていく。だけど、これまでたくさんのことに挑戦して、いろんなこと…

諸君、狂いたまえ!

8年前、NHK太河ドラマ『花燃ゆ』の中で、話題になった名台詞と言えば、松陰先生が塾生へ向かって叫んだ「諸君、狂いたまえ!」。この意味は大きなことを成そうとするならば、一つのことへまっしぐらに進むべし。どんなに不可能だと言われきたことでも、愚直…

期待の新人

昨年6月に開催したコサカダイキ君の個展で、初めて知り合った若者が二人ほどいる。どちらも作品制作はしているものの、いわゆるビギナーと言うべき段階で、初々しい空気をまとっていた。これも美術がよくわからないことを包み隠さず、美術のことなら何でも学…

アイデンティティ

先週末、4年ぶりに親交のある方が主催する忘年会へ参加する。実は外で飲むことも久しぶりで、なんとなく落ち着かない感じ。しかし、ひとたびお酒を酌み交わせば朗らかになる。知らぬ同士が小皿叩いてチャンチキおけさ。ほろ酔い加減で和気あいあいと語り合え…

心の鏡を磨く

「うつくしいものを 美しいと思える あなたのこころがうつくしい」という相田みつをの詩がある。この言葉は自分の心が美しいと感じたものは、そのまま素直に美しさを楽しめばいい。また、正反対の醜いものに触れた時に、自分の心が醜いと感じることも大切で…

等身大

香月泰男画伯が残した「毎日の食事のように仕事をしよう。殊更(ことさら)求めずに手近な、容易に手に入る材料で料理して食べよう」という名言がある。 この言葉は仕事の種類に上とか下とか言うものはない。ありふれた食事、平凡な1日の中に本当の喜びがあ…

負けん気

昨日の午後、晴れ舞台が終わったばかりのイラストレーター コサカダイキ君がやって来た。どんな風な作品展になったのかを知りたかったので、早々に来てくれて感想を聞ける機会に喜ぶ。それにしても若いから疲れた様子がない。かと言って思い上がって浮かれた…

実るほど頭を垂れる稲穂かな

昨夕はイラストレーターりおた君と年初以来ひさしぶりに数時間に渡り談笑する。なにせ、りおた君はこの11ヵ月間に大きな仕事にめぐまれて多忙を極める。これまでひたむきに取り組んできたことが多くの方々の目に留まり、あちらこちらから導かれ支えられて、…

万能感

「万能感」という言葉がある。その意味は「自分は何でもできると思い込むこと」で、実際の能力とは関係なく、感覚として自分の能力を過信している状態を指す。いわゆる子どもの発達段階において、しばしば見られる現象で大人になるにつれて、自分の能力の限…

非凡

イラストレーターのコサクダイキ君は、幼い頃からマンガのキャラクターをよく描いていた。小学校時代はクラスメイトに見せては楽しませたり、絵の上手い転校生がやって来たら、毎日のようにイラスト合戦で競い合って、ついには相手が描く絵柄を予想し、それ…

エール!

第12回やまぐち新進アーティスト大賞受賞記念コサカダイキ展の開会式で、前回同賞を受賞した佐々木範子さんの応援メッセージは素敵でした。以下に転記させていただきます。 (略)コサカさん、新進アーティスト大賞受賞、本当におめでとうございます。コサカ…