2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

五福星

ほとんどの作品展は限られた時間の中で開かれる。そして、あっという間に会期が過ぎて終わっていく。このたびの作品展も電撃の5日間だった。それは夢ごこちの修学旅行のように、宙に浮いた楽しい時間が過ぎ去ったのだ。しかし、たかが5日間、されど5日間。そ…

宿命

10数年前のこと、ある街では雑誌などにイラストを投稿して、何度も採用された中学生がいると噂になっていた。それは小さな街だから噂が噂を呼んで大きく広がっていた。彼女はそんな少年と同じ街で育った。「私と同じ年齢なのに足元にも及ばない」と落ち込ん…

切磋琢磨

ここに集まったのはキャリアも年齢も同じような人たち。美術について語り合うたびに友情を深めることのできる。感動したこと、良かったこと、それ以外も楽しくシェアできる仲間だ。そして、いつの間にやら本気になって競い合っている。普段は和気あいあいの…

愚直

子供の頃から勉強も運動も苦手で、身体も弱くて無理はできなかった。ようやく高校生になって行動範囲が広がり、思い切って英語会話や憧れの吹奏楽にもチャレンジ。キラキラする青春の1ページを燃えていく。ところが心の中は満たされないまま。どこか空回りし…

変化する

石ころは川の水に流されて運ばれると、いくつもの障害物とぶつかって、とうとう角がなくなって丸くなる。裏を返せば、石ころは何かにぶつからなければ、いつまで経ってもキザキザのまま。いろんなものにぶつかり合うことで、尖ったものが削られて丸く磨かれ…

考える力

その昔、テレビドラマ金八先生で「人は人によって支えられ、人の間で人間として磨かれていく」なんて台詞があった。これは実際の字の成立ちを言うのではない。人生をより面白くするためのツールで、日常をワクワクさせるエッセンスなのだ。ちょっとしたこと…

スイッチオン

彼女は芸術短期大学を卒業後、将来の具体的なビジョンがないまま、なんとなく日々を過ごしていく、どこにでもいるごく普通の若者だった。そんなある日、たまたまアルバイト先で頼まれた印刷物のデザイン。出来上がったチラシの評判が良かったため、新しい取…

チャンスタイム

平成はもうじき終わっていく。昭和とは違いあっさりと去っていく。来年5月には新しい元号になって、時代の流れも変わることだろう。これまでの価値観になかった文化が台頭して、どの分野も活性化するために新陳代謝が始まる。もしかしたら人生をリセットでき…

聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥

知らないことは恥ずかしいことではない。「これってどういうことですか?よかったら教えてください」と、素直に言える人。新しい文化との出会いを思いっきり楽しんでいる。例え常識がないと思われようが、脆弱な知識だと言われようが、まったく構わない姿勢…

ディープさ

ほんの少し前、来店された一見さんと話していたら、「美術家として成功するためには、どうやって人脈を広げて、どのように有力者とのパイプを繋いだらいいのでしょう?」と尋ねられた。おおー、なんと単刀直入な言葉。これってわかりやすく言ったら、人間関…

ちりも積もれば

ことわざの「ちりも積もれば山となる」とは、小さなものを積み重ねたいけば、大きなことが叶うという意味だ。例えば普通の人なら同じゴールを目指すなら最短距離を選びやすい。如何に効率よく無駄のない経路を通りたいと思うはずだ。もっとわかりやすく言っ…

第一歩

最初からバリバリの美術家なんて、この世のどこを探してもいないもの。どんな分野の美術家であっても、一人前と呼ばれるまでには、それなりに多くのことを学んで、じっくりと育む時間が必要なのだ。そのためにはしっかりとした未来像を持って行動していく。…

Let It Be

その昔、テレビ番組でビートルズの名曲「Let It Be 」の歌詞の字幕(和訳)に、「素直に生きればいい」という言葉を見た瞬間、これは般若心経の教えと同じではないかと、ビビッとひらめいてしまった。私はビートルズファンでもないし、英語はまったくできな…

贅沢な時間

贅沢な時間とは自分の好きなように時間を使うこと。まったく何もしなくて、ぼーっとしていてもいいし、または、関心のあることに没頭して過ごすのもいい。なぜならば、人にとって時間はもっとも貴重なものであり、その瞬間は再生することができないからだ。…

単純さ

美術を楽しむことはそんなに難しくはない。制作するための基本的な知識を習ったり、作品鑑賞のポイントを少し教わったら、そこそこのレベルで誰にでも面白いものになる。いわゆるプロのレベルには遠く及ばないものの、普通の人が趣味として制作したり鑑賞す…

想像力

謙虚さがなかったら、想像力は生まれてこない。なぜなら、この世の中にはまだまだ知らないことだらけ。すべてのことを知っているなんて、得意満面な顔をするのは自由だけど、それは現実と妄想の区別がつかないのだ。はたまた、すぐにネットで調べた答えです…

首尾一貫

若い美術家は自分の才能について過信しがちである。ただし、これは決して間違っていないこと。そういう自惚れがなければ、労働時間と収入が見合わない、過酷な世界に挑戦しよう思わないだろう。美術界は残念ながら売れている人の方が圧倒的に少ない。また、…

水を運ぶ人

水を運んできてくれる人とは、人生を助けてくれる大事な仲間。その人の志が枯れてしまわないように、定期的に必要な栄養を届けてくれる。それが有償の関係だったら、利害が一致する大人の友情。なんだかんだ言っても、きれいごとだけでは生きられない。安定…

黄金律

ここのところ、美術家志望の若い世代の来店者数が減っている。その理由はいくつか思う浮かぶが、一番の理由はSNSなどを通じて、手軽に作品を観られるからだろう。発達した情報システムおかげで、なんとなく知ったような気分になる。そして、「この作品なんて…

阿鼻叫喚

昨日の夕方、ほぼ毎週末にやって来る友人に、映像と空間芸術の作品展へ行くことを勧める。この近くで2日間しかないから、思い切って行きなはれと背中を押す。そこで彼は素直に会場へ向かった。美術を今宵なく愛して面白がっている人物。それなりに楽しんでく…

ロンド 繰り返し見る夢の続き

昨日、ある展覧会で作品鑑賞をして、見事に酔わされてしまった。まずは一番最初の部屋は2つの不思議な動画とオルゴールの音が妖しく響く。萩市須佐ホルンフェルスの前で単調にクルクル回る女性と、布団の中にいた女性がいつの間にか海に顔を出して浮遊する幻…

唯一無二

美術は誰かの真似をして模倣するようではいけない。自分にしかない独創的な表現を目指す人のためにある。当たり前のことだけど、誰かがすでにやっていることは、結局のところ二番煎じと言われてしまう。どんなに上手くコピーできたとしても、オリジナリルの…

妄想力

私は人間観察をすることが大好きだ。近所の商店街を歩いている時も、役所や銀行などの短い待ち時間でも、人間模様を眺めては勝手に面白がっている。目の前を行き来する人たちのちょっとした表情、微妙に動いているしぐさなど、とにかくユニークな個性を見つ…

ビビッとくる

世の中はすべて百聞は一見にしかずだ。いわゆる世間一般で語られていることは、果てして本当にそうなのだろうか?実際にその場所へ行って、そこいら辺の空気を吸って、土地にいる人と会って確かめるべきだ。もしかしたら、どこかの時点で事実を無視して、都…

美術品

美術品を買う人の基本的なモチベーションは、「有名な画家の作品だから素晴らしい」や「モチーフがわかりやすく親しみやすい」など、人それぞれ欲しくなる理由は様々だ。はたまた作品の良さよりも未来に値上がる投資として所有したい強かな人もいるだろう。…

批評

美術批評とは創作の美点や欠点を具体的にあげて、その人の才能を高めていくために、いろんな角度から議論すること。美術家として生きていくには避けて通れないもの。今やっていることを発展させるために行う。だから個展やグループ展などで作品を発表し、腕…

楽しむ

一般の人から見たら美術作品の値段は不透明でわかりずらい。それはセンスも技術も劣って、魅力も感じないものなら少額でも高いと言われ、クオリティが高いのにも関わらず、相場よりも値段が安ければお買い得と喜ばれるからだ。さらに例え値打ちのわかる人が…

先輩後輩

ほんの少しだけ昔のこと。子供の頃から美術家に憧れたた少女が、夢を叶えるために地元の芸術短大へ進学する。若者らしく真っ直ぐさを武器にして、美術を吸収しようとする意欲に溢れていた。そこで出会ったのは芸短の先輩であり、非常勤講師として熱く語るひ…

運鈍根

人生で成功するには「運鈍根(うんどんこん)」が必要だと言われている。まず最初の運については説明するまでもない。これまでになかったものが、上手くいった時には、偶然から生まれる要素が多い。運の量は誰にでも同じ。無駄遣いしていない人に幸運の女神…

地獄と極楽は、実は同じ世界

「地獄と極楽は、実は同じ世界」という仏教法話がある。このお話は地獄と極楽のどちらにも大きな釜があって、中に美味しそうなうどんがそれぞれ入っている。その釜からうどんを食べるためには、1メートルの長い箸を使うしかない。ここがターニングポイント。…