2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

モチーフ

香月泰男画伯の言葉に「単調とも言えるここ山陰の片隅の風物も、私にはモチーフ天国(大げさか)、春陽はいなかほど美しい。私はその中にいまいる」がある。 いわゆる作品のモチーフは特別なものである必要はない。いつでも今いる場所から見つければいい。そ…

努力義務

ここ最近、巷でよく耳にする「努力義務」。この言葉は法律の条文において「~するよう努めなければならない」「~努めるものとする」などと規定されることを指す。あくまでも任意で努力したとしても評価する絶対的基準がないため、「これをしなければならな…

子どもと大人

まどみちおさんの詩に「小さい子を喜ばそうとして、お子さまランチの旗を使うようなことをすれば、子どもにこびることになります。子どもだって人間。同じ『人間』の部分で仕事をすれば、相手の心に響かないはずはありません。子どもが一生懸命考えて『ああ…

生きがい

美術へのやりがいや楽しみは、本気でやってみて、はじめて得られるもの。本気でやりもしない、楽しもうともしないで、どうしてそのような境地が得られるだろうか。作品制作への生きがいにしてもそうだ。精一杯、独自性のあるものの制作に取り組んで、はじめ…

野球道

そもそも野球とは元をたどれば遊びで、自分たちが楽しむためにある。それを一所懸命にやっていくうちに、次第にいろんな技術や能力が向上していき、素晴らしいプレーができるようになると、それを周りの人たちが観てて、なんてエキサイティングで面白いんだ…

プロセス

創作活動とは、理想の作品制作するために日夜努力していくこと。納得できるレベルに達しようとして、試行錯誤を繰り返しながら才能を磨くことである。近年、このようなことを知らない人が増えている。SNSに数多くの投稿していいくうちに、まぐれで上手くいく…

我以外皆我師

世代間ギャップとは、異なる世代のコミュニケーションで起きるズレのこと。受けてきた教育も育ってきた時の社会環境が違えば、価値観や文化も違うため、それによって生じる摩擦のようなもの。要するに、昭和生まれと平成生まれでは、常識やモラル、ライフス…

みんなちがって、みんないい

「みんなちがって、みんないい」とは、金子みすゞの有名な詩の一節で、当時の女性は自由に個性を発揮することが許されず、やるせない気持ちをさりげなく表現したもの。つまり、誰とも異なる生き方をしてもいいんだよと肯定して、それぞれの違いを受け入れて…

志定まれば、気さかんなり

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とは、プロ野球の名将だった野村克也氏が好んだ言葉。いわゆる負けてしまう時には、ただ漠然と負けるわけではなく、その試合中に必ず何か負ける理由や要素がある。一方で勝った時は、試合中にさまざまな…

よころばせごっこ

漫画家 やなせたかしの著書に「人間が一番うれしいことはなんだろう? 長い間、ぼくは考えてきた。そして結局、人が一番うれしいのは、人をよろこばせることだということがわかりました。実に単純なことです。ひとはひとをよろこばせることが一番うれしい」…

ベースボール

正岡子規と言えば、野球を今宵なく愛して、野球用語をつくったり、自身の幼名『升(のぼる)』をもじって、『野球(のぼーる)』という筆名を名のっていた。 そんな子規が詠んだベースボールの歌の中に「国人と とつ国人と うちきそふ ベースボールを見れば …

創造

岡本太郎の著書に「こどもの絵はけっしてうまくもなく、きれいでもないにもかかえわらず、なにか微笑ましく、こちらの気持ちを打ってくる。それはこどもが、うまく描いてやろうとか、きれいに描いてみよう、ここちいいものをつくろうなどという意識をもたず…

初心忘るべからず

「是非の初心忘るべからず。時事の初心忘るべからず。老後の初心忘るべからず」という世阿弥の名言がある。 まず「是非の初心」とは、若い頃に無我夢中になって取り組んだことや、当時の未熟だった自分のことを忘れてはならないということだ。次に「時々の初…

自灯明 法灯明

ブッダが最期に残した言葉に「自灯明」「法灯明」がある。「自灯明」とは自分自身を頼りとすることをいい、「法灯明」とは真理を頼りとすることをいう。暗闇のなかで灯す明かりのように、自分自身を頼りとし、真理を頼りとしていく。ブッダはこの2つのこと…

ヒストリー

佐々木範子さんが美術と本格的に取り組んだのは高2の春から。漠然と愉快に過ごしていたある日、そろそろ進路を決めなきゃと初めて真剣に考えてみた。すると、幼い頃から好きな漫画を黙々と描き写していたことを思い出す。ただし、とても不器用だったので、制…

熱意

昨日、郵便受けを覗いてみると、一通のハガキが入っていた。送り主は美術家の手嶋大輔君。文面に目を向ければ、花のお江戸で個展をするとの趣旨が書かれてあった。嗚呼、なんと目出度いこと。こつこつやってきたことが実って、このような機会に得たことは本…

血が通い合う

昨日の午後、ラジオをエフエム山口に合わせていると、やまぐち献血ルームで17日から始まる、イラストレーターりおた君の作品展の告知CMを耳にする。そう言えば、先月末に会った時にWBCで戦う侍ジャパンの選手たちを描いて出展すると言っていた。ただいま日本…

根を肥やす

「晴れた日は晴れを愛し、雨の日は雨を愛す。楽しみあるところに楽しみ、楽しみなきところに楽しむ」という名言がある。 どんな1日になったとしても、物事への考え方を柔軟にしていけば、いい状況や状態へ向かうことができる。ついつい雨の日は沈みがちな気…

果報は寝て待て

いわゆる運と呼ばれるものは見た目よりも平等なもの。意外と公平に分配されていて、巡り巡って誰にでも訪れる。だから、自分はまったくついていないとか、不運な星のもとに生まれたとか言って、嘆いても仕方がない。たしかに今は運を手に入れられなかったが…

関心を払う

ある時、一休禅師のお寺に訪ねてきた男が「生きていくうえで一番の知恵を教えてください」と頼みこんできた。そこで一休さんは黙ったまま筆をとって「関心を払え」と書いて手渡した。すると男はそれを見て「どういう意味ですか?」と、一休禅師に尋ねたとこ…

猛烈な素人

岡本太郎の著書の中に「現代では素人だってなにかつくるとき、玄人の真似をしてしまう。だからつまらなくなる。玄人の真似をしない徹底的な素人の感動を、私は『猛烈な素人』といっているのだが、それこそが芸術のほんとうの契機だと思う」という言葉がある。…

経験

「経験は最良の教師である。ただし授業料が高すぎる」という名言がある。 いわゆる今の社会は知識を身に付ける教育が中心で、知識をたくさん身に付ければ、立派になれると考えている。それも普段の生活で役立つ基本的な知識ではなく、普通の人が知らない知識…

ゆかりんⅡ

いわゆる美術公募展覧会は、大きくわけて2つのタイプがある。1つ目は美術を広める祭典的なもので、初心者でも参加できるように審査基準を緩和して、少しでも美術を楽しめるようにしている。2つ目は美術の価値を高める厳選主義的なもので、応募作から審査基…

抗い続けること

ところで、昨日ネットニュースで妻夫木聡さんが、新たな一歩を踏み出す大人たちへのメッセージとして、「抗い(あらがい)続けること」と題して、以下のようなメッセージが掲載されていた。「僕自身も常にそういう時がある。ついつい人間って答えを求めてし…

新チャレンジャー!

後期印象派の画家 ポール・ゴーギャン。最初の職業は船の水先案内人の見習い。その後兵役でフランス海軍に入隊し、除隊してからパリに戻ると、証券取引所で株式仲買人として働く。ここで大いに腕ふるって高収入を得て、人気のある画家の作品を次々に購入。余…

失敗は成功のもと

昨日はネコ展の最終日。朝からお天気にも恵まれて、にぎにぎしい雰囲気のまま、お開きすることができました。皆々様に心より感謝いたします。ありがとうございます。このたびの作品テーマのネコは、簡単そうに思えて意外と難しいモチーフで、それをそれぞれ…

エール

昨夕、ここ最近にSNSで繋がった学生さんがお越しになる。当然、この日が初対面。顔もわからなかったけど、なんとなく来るような予感がしたので、若い来場者には常に気を配っていた。その甲斐があって機会を逃さずに良かった。 ちなみに彼女の作品は近くであ…

サンサン

ことわざの「三人寄れば文殊の知恵」とは、凡人でも三人集まって意見やアイデアを出し合えば、文殊にも劣らないくらいの知恵が生まれてくることの例え。 たった一人であれこれ考えてみたところで、最善の知恵や手段はなかなか浮かんではこない。しかし、三人…

言葉

昨日のNHK連続テレビ小説「舞い上がれ」で、ヒロインの夫が営む古本屋に馴染みの女子中学生が訪れて、胸のうちを赤裸々に語ったシーンのやりとりが耳に残った。それは中型国語辞典を手に持ちながら「言葉ってさあ~、こんなにいっぱい、いらんくない?中学へ…

背伸び

「背伸びをして視野をひろげているうち、背が伸びてしまうということもあり得る。それが人生のおもしろさである」という名言がある。 この言葉は10代20代の若い人たちだけのためにあるのではない。何かやろうと決心することがあれば、年齢なんて気にせずにや…