2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ネーミング

先週のNHK Eテレの番組 先人たちの底力 知恵泉は「雪舟 失意の都落ち?!天才画家の逆襲」。なんとも馴染み深いテーマ。しかし、「自分が何者であるかを自分でブランディングする」と、これまでになかった切り口で攻めいていた。これは30代半ばで京都を離され…

一期一会

先日、古くからの友人の紹介で都会からUターンされたばかりのお客様宅へ訪問する。事前にお電話した時の印象は、海千山千の街の人中でもまれて、無事に生き抜いてこられただけに、いろんなことに気配りできる感性を感じた。その直感は正解で、実際にお会い…

トルメンタ

この年末年始に行われた高校サッカー選手権大会で母校サッカー部は全国3位の座を射止めた。本当にめでたいこと。私は在学中から40年を超えるサポーター活動が実ったような達成感が得られて嬉しかった。また、そんな私に友人知人たちからお祝いの言葉をたくさ…

超絶技巧

昨日の午後イチ、今年になって初めて吉村大星君がやって来て、あれやこれやと美術について語り合う。とはいえ、いつもと同じようなことを話し合ったのだが、そのたびになにか新しさを感じるのは、会うたびに共有するものが積み重なって、どんどん豊かな話題…

光の記憶

1990年7月発刊の県美ニュース「天花」に、写真家 森山大道氏のエッセイ「犬の記憶」の一節が以下のように載っていた。 記憶とは過去をくりかえし再生するだけのものではなくて、かぎりなく打ちつづく現在(いま)、という分水嶺(ぶんすいれい ⇒ 物事がどう…

ハラミちゃん

この日曜日の夜は人気番組 情熱大陸で、演奏するのはほとんど人気ポップスソングのカバーになるから、自らを"ポップスピアニスト"と称する時の人、 ハラミちゃんをミーハーに見始める。しかし、「小学校から好きだったピアノの即興とかリクエストに応えて、…

日本の写真は変えられたか

先日、写真家の石川直樹さんが来山された時に、同行していた友人とともに県立美術館へ。そう簡単にはここで作品展を開くことはできないだろう。だからといって、まずは橋渡しをしなければ、なにも始まることはない。いわゆるご挨拶として訪れたのだが、担当…

勝ち馬に乗る

「勝ち馬に乗る」とは、勝負ごとなどにおいて勝利した側、あるいは勝利しそうなほど有利な側に付いていって、勝利に便乗することを意味する。 いわゆる戦国時代と言えば、虎視眈々と君主の座を奪おうとする強者揃い。戦に勝ったものは生き残り、敗れたものは…

10:90

連チャンで、NHKの情報番組「あさいち」に出演した作家 原田マハさんが特選エンタのオススメ書籍のコーナーで語ったことを書き綴る。それは原田さんが3冊目に紹介したミステリー・サスペンス小説「ダ・ヴィンチ・コード」と出合いのこと。実際にあるルーブル…

美術の物語

昨日、NHKの情報番組「あさいち」のプレミアムトークに出演した作家 原田マハさん。その後の特選エンタのオススメ書籍のコーナーで、世界の美術史を学ぶ学生のために書かれた入門書みたいなものと言って、最初に紹介したのは美術史研究家 エルンスト・H・ゴ…

我思うゆえに我あり

近年、兎にも角にもスマホなどの携帯型通信機器は進化し、さらにそれに伴って機種で取り扱えるソフトが次々に創出されていった。そのおかげで、写真や動画を撮影することは手軽になり、また、辞書や専門書を持ち歩かなくても、その場で疑問を調べることが手…

推し活

ここ数年、巷で流行っている推し活(おしかつ)とは、アイドルや俳優、キャラクター、スポーツ選手などを熱狂的に応援することを推しと言い、そのような自分の好きな対象をまわりの人に薦めていく活動のことを指す言葉だ。 今週、NHKの番組「プロフェッショ…

知的好奇心

先月、近くで行われたアーティストトークは、親しい美術家が自身の活動について語るので、それなりに知っているつもりで参加する。しかし、実際のところは勝手な思い込みで勘違いしていたり、あやふやなままよく覚えていないことなど、いくつかの反省点が浮…

遺伝子

どんな分野でもいい。好きなことでも得意なことでもなんでもいい。なにかこれぞとひらめくことに踏み出していく。自分で今やるべきことをつくり、できる限りの中で一番良いを目指すこと。それはそうやすやすと上手くいくことはない。成功することもあれば、…

素っ裸

これまで私が会ったことがある愛するべき美術家は、みんな自然体で自分らしいペースで生きている。あからさまに奇抜なファッションを身にまとい、抽象的でハッキリとしない発言をして、訳のわからんパフォーマンスで煙に巻いたりはしない。本物の個性とは奇…

妖怪革命

昨夜、ふと気まぐれに大学入学共通テストについてネットで閲覧していると、前年度の国語現代文出題にあった「江戸の妖怪革命」が目にとまる。これはフィクションとしての妖怪はいかなる歴史的な背景のもとで生まれてきたのかを考察した文章で、目で追ってい…

Shari

昨日、NHKの情報番組「あさいち」には、独特のダンス活動を行う76歳のダンサー 田中泯氏が出演。33歳の時にパリでデビューして以来、世界中のアーティストと数々のコラボレーションし、国内外で3000回を超える踊りを披露している。そのなかで独自にあみだし…

ドブネズミ

世界中の辺境地から大都市に至るまで、実際に現地を訪れて原住民とコミュニケーションしながら、あらゆるものを撮影し続けている写真家 石川直樹さん。この2年間、新型コロナウイルスが世界各地で蔓延したため、海外を飛び回って活動することが困難となって…

中判カメラ

昨日、周防大島町で町議をしながらボランティアで文化活動などを積極に行う友人が、世界のあちらこちらを旅しては肌で感じたことをカメラで写し、独創的な視点で作品表現する気鋭の写真家 石川直樹さんとともに参上する。友は何年か前から生涯にわたって日本…

研磨する

「人間はダイヤモンドだ。ダイヤモンドを磨くことができるのはダイヤモンドしかない。人間を磨くにも人間とコミュニケーションをとるしかないんだよ」という名言がある。 いくら才能があったとしても、やる気があったとしても、たったひとりで才能を開花させ…

トルメンタ

私が小6の高校サッカー選手権大会準決勝で、決着をつけるPK戦で衝撃的なシュートがあった。それはPKを蹴る選手がなんと蹴ると思われた足の逆足による、いわゆる軸足シュートを決めたのだ。当時、このシュートは麻疹のように蔓延していく。あっという間にサッ…

人生の主役

「覚えておくんだ。生涯あなたに付き添ってくれる唯一の人はあなた自身なんだ」というピカソの名言がある。 いくつになっても未来を明るくできる才能はまだまだ残されている。たとえ若々しい感性がなくっても、パワフルな体力がなくっても、伸びていく可能性…

まける練習

「柔道の基本は受身。受身とはころぶ練習。まける練習。人の前にぶざまに恥をさらす稽古。受身が身につけば達人。まけることの尊さがわかるから」というのは相田みつをの言葉だ。 この世の中は自分の思い通りにいかないことの方が多い。夢はかなわない確率の…

しあわせ

『しあわせ』という言葉がある。その由来は為し合わす。為すとは動詞のすること。何か2つの動作などを合わせられることで、めぐりあわせがいい状態のことを指す。だからこそ、しあわせとは分かち合わなくてはならない。めちゃくちゃ好運なことがまわりまわっ…

婆沙羅

今週のNHK Eテレの番組 先人たちの底力 知恵泉のテーマは「大ばさら大名 佐々木道誉 変人のススメ 大胆不敵なルールとは」。南北朝時代、伝統的な権威をものともせず、ド派手な身なりで傍若無人に振る舞う人をばさら(婆沙羅)と言う。その美意識を体現した…

人生に雑事はなし

「失敗したっていいじゃないか。不成功を恐れてはいけない。人生の大部分の人々が成功しないのが普通なんだ」という岡本太郎の名言がある。 この世の中、最初からすべてが上手くいくほど甘くはない。自分の希望や思いが通らぬことなんて当たり前。いわゆる一…

虎に翼

「虎に翼」ということわざがある。これはもともと強い者や勢いのある者に、さらに威力が加わることのたとえである。 10数年前に英国の70歳を超えた現代美術の巨匠が初めてデジタルドローイングを制作する。彼にとってiPhoneの機能はとても使いやすく、ベッド…

屏風のトラ

私が子供の頃に流行ったアニメ番組「一休さん」。三大とんち者の一人と言われ、数々のとんち話を残している。その中の1つ「屏風(びょうぶ)のトラ」。ある日、殿さまが一休さんのとんちの評判を聞いて、お城に招き入れて、一休さんに夜な夜な屏風から飛び出す…

軍扇

元旦にNHK Eテレの番組 先人たちの底力 知恵泉スペシャルのテーマは「占いが歴史を動かす!?」 。占いは長きにわたって日本の歴史を密かに動かしてきた。華麗な宮廷文化が花開いた平安時代に恋人たちの逢瀬は占い次第だった。終わりなき戦いが続いた戦国時…

壁は自分自身だ

数年前、コロナ渦になる前から山口の美術界は新陳代謝が活発化している。次々に新しい人材が元気よくあらわれて、これまでにいないタイプが台頭し、ローカルにありがちな停滞感を払しょくしてくれる。もちらん、伝統的で素晴らしいものは相変わらずのまま。…