2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

巡り合わせ

昨日の午後、車で用事へ出かけようとした時に、急にK先生がお越しになられたので、ギャラリーへ入って歓談することにした。そうしたらK先生は開口一番、先日天国へ旅立たれた盟友のA先生のことを偲ばれて、残念なお気持ちを素直に語られた。いわゆるお二人は…

山口発

私はいつも山口という土地でやれる美術とは何かを考えている。それはめちゃくちゃ凄いことをやりたいという野心に満ちたものではなく、もっと単純な動機で、ここにいる作家たちと何ができるだろうを考えているだけ。生まれ育った場所にある文化と向き合い、…

人生に雑事はなし

その昔から創作に悩んでいる人に話しを聞いてみると、なかなか自分の作品を正当に評価してくれる人がいないとか、親身になって有益な助言をしてくれる人がいないなど、活動するために必要な出会いに恵まれていないことを嘆く人がそこそこいる。これらの人は…

ゴットファーザー

先週末、長きにわたり県美術界の発展のために大きく貢献され、3つのミュージアムで手腕を発揮したゴッドファーザーが天に召された。1973年に県立美術館設立準備室に着任し、世の中的にも美術館がよくわからない時代に、ソフトで明るい人柄で関係性を構築し、…

本音

いわゆる友人知人と美術鑑賞した時の楽しみとは、それぞれが素直に感じたことや思ったことを自由に述べて、いろんな視点から感想を語り合うことだ。すくなくともこういう場では確固たる自信なんかなくていい。誰だって絶対的な知識は持っていないし、言いた…

エール

約40数年前、新築のお祝いに親交のある陶芸家から、当時社会人を経て東京の美術学校に通っていた吉村芳生氏の大きな絵をプレゼントしていただいたY氏。音楽や美術を今宵なく愛する芸術に造詣の深い方に似つかわしい贈り物だった。 そのため長い間にわたり家…

まなぶ

「物事の基礎を学ぶうえで、他人の真似をすることは、むしろ好ましいことである。問題は単なる真似なのか、真似を通じて自分のスタイルを創っていくかである。単なる物真似は、進歩の放棄でしかない」というナポレオンの名言がある。 「学ぶ」という語の元の…

唯我独尊

いわゆる美術には数学のようなハッキリとした正解がない。例えば、課題に対して上手く絵を描かれていれば、それでいいという単純明快な評価なんてない。作者が絵に込めて伝えたかったことや絵にすることで美しいものを再発見させることができなければならな…

学び

先週まで開催していたTシャツ展には、プロを目指す人が多数来店したので、そのたびにコミニュケーションを図ってみた。すると、ほとんどの人から「どういうことを勉強すれば能力が上がるのでしょうか」という究極の質問を頂戴する。ハッキリ言って、そんなこ…

互恵関係

そう言えば私の若かった頃の美術界には、素人や未熟な人は専門家の前で黙ってなさいという暗黙の了解があった。なぜなら、その時代の専門家は圧倒的な知識量と情報量を保持しているため、雲の上の存在として尊敬されていたからだ。故に、専門家が専用語で語…

武士道

「世の中は、時々刻々変転極まりない。機来たり、機去り、その間実に髪をいれない。こういう世界に処して、万事、小理屈をもって、これに応じようとしても、それはとても及ばない」というのは勝海舟の言葉。これは、世の中はいつも目まぐるしく変化するもの…

椅子取りゲーム

椅子取りゲームとは、複数人で限られた椅子を取り合う遊び。音楽に合わせて椅子の周りをぐるぐる回り、音楽が止まった瞬間に急いで椅子に座ったものが勝つ。このゲームのいいところは、結果が運に左右されるため、負けても不運だったですまされる。だから、…

されどTシャツ

昨夏、Tシャツを企画してみようと考えたのは、世の中はまだまだコロナ渦で暗い雰囲気が漂っていたため、色鮮やかなTシャツで少しでも明るさを楽しんでもらいたくて、思い切って行うことにした。もちろん、Tシャツ展はいろんな形で開催されていて、特別新しい…

基本の基

昨日まで開催しました「アートTシャツ展」は、雨にも負けず、猛暑にも負けず、数多くの来場者にめぐまれて、とても賑やかな作品展になりました。興味を持ってくださった皆様のご支援に心より感謝いたします。ありがとうございます。おかげさまで予想を上回る…

芸術が真実でないこと

「芸術が真実でないことは、誰もが知っている。芸術とは、真実を悟らせてくれるウソである。芸術家は、嘘の中にある真実を人に納得させるだけの技量を身につけなければならない」というピカソの名言がある。 人は事実の中だけで生きていこうとすれば、檻に入…

おもしろき

「おもしろきこともなき世をおもしろく」とは、高杉晋作の辞世の句で、人生を面白く感じられるかどうかは、その人の心の持ち方一つで決まるという意味。だから、どうすれば人生を面白くできるのかを、世の常識や固定観念に縛られず、その人なりの視点で発見…

道楽

いわゆる美術家とは、道楽に生きる人でなくてはならない。ただし、これは世間一般で言われる本職を忘れて、好き勝手に遊び呆けて放蕩すること言うのではない。実は道楽という言葉は仏教に由来する。仏道の修行することによって、さまざまな体験を通じて、身…

手応え

岡本太郎の著書に「芸術でも音楽でも、映像、ファッション……。ものを創り出すことに自分を賭けている人間は大勢いる。何のために?いいんだよ。ためではない。ぶつけたいから、ぶつけるんだ」という言葉がある。 自分にとって一番熱くなれるモチーフというも…

肯定的に

創作活動を好転させること、よりよい作品を制作していくこと。そのためには、ただちに自分を成長させていかなければならない。いま技術やセンスで足らないものをはじめ、さまざまな課題を見つけ出して、ひたむきに改善するように努力すれば、またたく間に実…

常識を超える

「不常識を、非真面目にやれ」という世界のホンダへ一代で築き上げた本田宗一郎氏の名言がある。 いわゆる常識とは、ある社会で人々の間に広く承認され、当然もっているはずの知識や判断力のこと。だからと言って、いつも真面目に常識であろうとし過ぎると、…

価値の創出

創作物の価値観とは、自分ひとりで決められるものではない。美術に携わる人をはじめ、さまざま鑑賞者たちによって、作品の個性を尊重していきながら好いものにしたいと思いで、互いに力を合わせて築き上げていくもの。だから、自分自身がどれだけ努力しても…

明るい方へ

先週より、昨年に引き続き開催している「Tシャツ展」。初日以外はあいにくの天候になったものの、今のところ人の流れはとても堅調で、普段と何も変わらない賑わいで盛り上がっている。これはTシャツという夏らしいものをテーマにしているため、来場される方…

切磋琢磨

昨日の午後はあいにくの天候で予定より少なかったけど、それでも美術へ思い描く夢について語り合いたくて、出展者の一部の人たちが三々五々に集った。いくら才能があったとしても、やる気があったとしても、たったひとりで夢を実現させることは難しい。いろ…

志定まれば、気盛んなり

自分ひとりだけの力というものはとても小さなもの。あってもなくてもいいじゃないかと安易に考えやすい。しかし、たったひとりだったとしても、邁進してゆく志のある人なら、じわじわと大きな力になっていく。人になんて言われようが、自分でやると決めたこ…

常識を発達させよ

大村益次郎の名言に「常識を発達させよ。見聞を広くしなければならぬ。小さな考えでは世に立てぬ」という言葉がある。 この世の中はいつの時代も日進月歩。「今日の常識が明日の非常識となる」なんて当たり前。あっという間にいろんなことが変化していく。そ…

夢中

夢を叶えるためにひたむきに生きる人の周囲には、自然と同じようなタイプの仲間が集まってくる。いつの間にか顔見知りになって、少しずつ言葉を交わしていくうちに、だんだん本音で語り合う近しい仲になる。そして、鉄は熱いうちに打てではないが、まずは鉄…

未来へ進む

例えば「3ヶ月後にみんなで集まって旅をしよう!」と、仲間たちに呼び掛けてみる。すると賛同してくれたメンバーは、この旅行に必要なお金を貯めてみたり、期間中に仕事や家庭に支障がないように調整したり、とにかく旅へ出かけられるように努力していく。そ…

45周年シャツ

今週の6日(木)より始まる「Tシャツ展」に、下関市で水色画廊主宰する大佐君は、なんと当ギャラリー45周年シャツを作成してくれた。たしかにおめでたい節目の年。あらためて称えてもらうと、なんとも嬉しいし、なんとも照れくさい。とは言え、このシャツを…

「10年偉大なり、20年畏(おそれ)るべし、30年歴史になる、50年神の如し」という中国の格言がある。これはひとつのことをこつこつとやめずに積み重ねれば、とてつもなく大きな力になるという意味だ。やはり学問でも芸術でも何ごとであっても、ちょっとそっ…

大胆な視点

「過去をより遠くまで振り返ることができれば、未来もそれだけ遠くまで見渡せるだろう」という格言がある。 私が子供の頃、山口情報芸術センター(YCAM)がある場所には市民球場と県立体育館があった。そこでプロ野球のオープン戦を観たり、ドリフターズのシ…