タオルを首に巻いている族のヒト

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3月9日(水)よりクリエイティブ・スペース赤れんがでは「赤れんがに手づくり遊園地出現!? 岡本よしろうのねこの腹の中 ワンダーランド展」が開催されます。入場無料。どうぞお楽しみください!

【〈タオルを首に巻いている〉族のヒト】 12、3年前、岡本よしろうに最初に会った頃には、まさかこの人が〈タオルを首に巻いている〉族だとは思いもよらなかった。たしかに、ヨーロッパの街並みをオシャレに、だけどしっかりとした技術とした技術で描いている〈絵描き〉族だった筈だ。スペインだかどこかに住んでいたとも聞いたので、この人は生粋の〈洋画家〉なんだろうなと思っていた。それなのに、ある日突然、白タオルを巻いて私の目の前に現れたのである。「出た!」と思った。タオルを首に巻いて、「ちょっとサインペンを頂戴」なんていいながら、つるつるつるつると白い紙の上にイメージを紡ぎだす。描いているというよりは、白い紙から線を引っ張り出したらカタチができあがっていく、そんな感じ。大道芸人極上の技を目の当たりにしているみたいで、誰だって惚れ惚れするにちがいない。絵を描きたいというよりは、「素材をいじくりたおしてカタチを紡ぎだしたい」という欲望がひたすらに増殖していくのだ。当然のように、〈画家〉や〈絵描き〉ではおさまりがつかなくなって、布きれから人形を作り出すヒトになるは、漫画を描くは、絵本作家になるは・・・。最近では紙粘土に凝っているらしいとも聞く。何かをいじっていると止まらなくなって、とにかくカタチになってしまうのである。今回の展覧会もきっと〈展覧会〉という枠に我慢できなくなって、増殖していくワンダーランドになるにちがいない。乞うご期待。 文:河野通孝(山口県立美術館学芸課長)
 
日時 2016年3月9日(水)~21日(月・祝) 9:00-17:00 3月14日(月)休館 クリエイティブ・スペース赤れんが 山口市中河原5-12 ※画像はHEART2007のアートマート出展した岡本よしろう君です。