尾崎眞吾さんが金子みすゞの詩から想像して描かれた鉛筆画作品をご覧ください。
王子山
金子みすゞ
公園になるので植えられた、
桜はみんな枯れたけど、
伐られた雑木の切株にゃ、
みんな芽が出た、芽が伸びた。
木の間(このま)に光る銀の海、
わたしの町はそのなかに、
竜宮みたいに浮んでる。
銀の瓦と石垣と、
夢のようにも、霞んでる。
王子山から町見れば、
わたしは町が好きになる。
干鰯(ほしか)のにおいもここへは来ない、
わるい芽立ちの香がするばかり
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