描き続ける

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県美展の開会式の後に吉村大星君と会って、このたび佳作賞受賞した3枚連作「現実は変えることはできないけど、自分を変えることはできる」の前で、しばし話した。最初に「これってアンディーウォーホルを意識したの?」と尋ねたら「鋭いこと言いますね」と笑ってくれた。

よく父上である吉村芳生さんがライバルだと言っていた著名な現代美術家シルクスクリーンで作品を大量生産したウォーホルに対して、大星君の作品は鉛筆画でまったく同じ絵を3枚描き切ったもの。ただ、パッと見た感じではシルク版画なのか、.
はたまた印刷されたのか、それとも手描きなのかがわからない。そして、鑑賞者は「きっとどこか違っている」と思って、3枚の猫の絵を見比べてしまうだろうが、そこにはなんの違いもない。もし厳密に言えば、たしかに色のトーンに微妙な違いはあるかもしないが、1年半もの長い年月をかけて、自分の中にある才能を問いかけ続けた立派な力作だ。

22歳の大星君、やるじゃないか!きっと空の上から父上は微笑んでいることでしょう。来週15日よりアスピラート(防府市)で始まる「色鉛筆の画家 吉村芳生 最期の個展」に、花を添える素晴らしい作品になったでしょう。

■第8回山口県総合芸術文化祭・第68回山口県美術展覧会
会期 2014年10月2日(木)~19日(日) 休館 10月6日(月)
時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
会場 山口県立美術館 ウェブ 
http://www.yma-web.jp/
観覧料 一般500円、学生400円、70歳以上・高校生以下無料