素直で良かった!

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20代前半に上京した時、偶然出会った美術評論家に銀座周辺の画廊巡りのポイントを教えてもらえた。当時、ネットもなければガイド本もない時代。とてもラッキーだった。しかし、そのお話を聴いている内に私は恥ずかしくなってきた。なぜなら歩いて行ける距離を地下鉄で移動する田舎者ぶりに気付かされたからだ。京橋、銀座、新橋が隣り合わせだったとは知らなかった。わざわざ遠回りしていた。ショックのあまり正直に白状した。すると後日、その方から郵便で手紙と手製の銀座界隈の地図が届いた。「美術を勉強しろよ」とエールがやってきた。ただ、これはありがたいより重たかった。だけど頑張らなくてはならないと漠然とした使命感に燃えた。あれから時は経って、あんなこんなことがあって今に至った。昨日、前回のグループ展に仕事で来れなかった小野さんとあれこれ話している内に、このエピソードを思い出す。あのエールはこうやって繋がっていくのだろう。もちろん土日に集まったみんなにも同じように言いましたよ。嗚呼、だからやっぱりあの時に未熟ですと素直に言えて良かった。