チーム一丸の証明

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心温まるシーンだ。
「全員野球」をスローガンに掲げる吉田・阪神にふさわしい光景ともいえた。
9月4日のナゴヤ球場での中日戦の試合前に、
リリーフ・エースの山本は左足アキレスケンを断裂、戦列を離脱した。
チームにとって山本とっても、つらく、無念な出来事であった。
その山本もやっと軽いトレーニングができるようになった。
そんな山本を掛布の音頭で胴上げしたナインの手のあたたかさを、
山本は感じていたに違いない。(記事より抜粋)

1985年11月2日午後4時12分、
9回裏ツーアウトランナーは一塁、
バッター伊東(現・監督)が
ワンストライクから打ったピッチャーゴロを
ゲイル投手ががっちりとキャッチして、
ウイニングボールをバースへ投げて日本一になり、
吉田監督、ゲイル投手に続いて、
粋なはからい山本和行投手と川藤選手が胴上げされ、
チームが一丸となってことを証明してくれた。

ところで、当時の新聞に岡田監督は以下のような文章を書いている。


とうとう日本一になってしもた。ほんまやったら、
「やったァ!どや、見たか!」と叫ばなあかんのやけど、
なんでか、気持ちがさめてる。 =

こんなこと書いたら、きっとファンにぜいたくいうなって、怒られるやろなあ。
けど、これがボクの正直な気持ち。いや、みんなそう思てるんとちゃうかな。

あれは、日本シリーズの第一戦に勝ったときやった。
宿舎で夕飯を食べてるとき、誰かが”西武ってかわいそうなチームやな”というた。
その瞬間、なんとなくその場がシーンとしてしもた。

それは、口には誰も出せへんかったけど、みんなが感じたことやったんや。

なんで西武は、あんなに苦しそうに野球やってんやろ。
自分の意思で選んだ道やったら、もっとのびのびと楽しくやればええのに。
小さく見えるなあ。

ちょっとえらそうなことをいうけど、ボクはプロ野球ちゅうのは、
勝てばええ、強ければそれでええではあかんと思う。
ボクが小さい頃、プロ野球選手にあこがれたように、
プロは夢をみんなに与えなあかんと思うんや。

西武いはそれがあれへん。いや、そうさせてもらわれへんチームなんや。
そう思たら、なんとなく勝ってもうれしくないし、寂しい気持ちになって…。
来年こそはほんまの西武と日本一を賭けてやりたい。いまの正直な気持ち。

けど、まあ、ようウチが日本一になったで。これは胸を張れる。
ここ数年、野球界は”おたふく飴”みたいに、
どこのチームも投手、投手と同じ顔になりかけていた。
そんな中で、ウチが勝ったいうのは、
こりゃあ、すごいで。まさに革命的出来事か。

負けるときにはボロボロやけど、勝つときは信じられんゲームでも勝つ。
見てる方もおもしろかったやろけど、やってる方はもっとおもしろい。

ウソやと思う人はぜひ阪神へ入団して下さい。
そのかわり、滅茶滅茶練習せなあかんで。
苦なければ栄光なしや。

さあ、あとは契約更新かあ。楽しみやなあ。
こうなったら日本一の勢いで猛打爆発、全員一丸、全力を尽くして挑戦や!


と、書いていました。

「のびのびと野球ができない雰囲気」
を感じた岡田監督の現在は・・・
まずは現状を冷静に反省して、
この時の気持ちを思い出して、
チーム再建を願います。

頑張れ我らのタイガース