発見

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他を発見するということは、自分自身を発見することであるし、また他は発見されることによって新しい自己に目ざめる。ともどもに深まるのである。たとえば芸術の天地はそのエッセンスだ。誰でもが当たり前のこととして見すごしている世界に眼をこらし、瞬間瞬間に発見し、驚きをひらいてゆく。それが芸術の役割である。科学だって、対象の世界こそちがうが、同様に新鮮な眼によって発展して行く。くりかえして言う。素朴に、無邪気に、幼児のような眼をみはらなければ、世界はふくらまない。 by 岡本太郎
 
ネット社会は便利だ。見ているだけで何かを知ったつもりになれる。しかし、実際には体感や経験のない知識が増えることでもある。本当は知らないのに、知ったように動ける。ナビゲーションに運転、マニュアルによる対応。結果、ものごとの本質に触れられるまま、自己は宙に浮いてしまい、自由な想像はできなくなる。
 
ところで、岡本太郎さんの文章を読むと、これまで経験してきたことが立体化する。あれはそうだったのか…。これはこのように考えればいいのか…。発見!発見していく。自分の目の前にあるものを発見し、そこに色を与えてくれて面白くなる。「好奇心」を呼び起こす、熱い言葉なのでしょう。
※画像は和田皓一郎君のアクリル画、レインボーです。