昔取った杵柄

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若い頃、便利で簡単に写したり撮影するための機器がなかった。いわゆるフィルム式カメラの時代。現像するにもお金がかかるため、吟味しながら写すのが当たり前だった。ただしそのおかげで成長することができた。それは見たものをしっかりと心に刻む能力。一から十まで見たものを無理矢理に覚えるのではない。大まかなイメージで記憶して、余韻のある内に頭の中で再生して編集して楽しむ。これはとても合理的な手段。興味のないものは勝手に削除(忘却)されている。反対に自分に必要なもの、興味の深いものに対しては、コマ撮りしたくらいの緻密な録画も可能だ。その技能は簡単には衰えない。今でも夢中になって見たものは、それなりに正確にダウンロードできる。やはり若い時に磨いた能力の有効期限は長い。昔取ったきねずかとは、よくできたことわざだ。