新しい人材を発掘するために創設した美術公募展。「新進であること」という条件を満たすものは、みんな美術家になりたい一心で、それだけを目標に思い切って応募していく。その熱気は主催者の予想を遥かに上回っていた。チャンスを活かしたい出展者たち。若さを前面に押し出しギラギラと漲らせる。自分の目指すべきことに巡りあうと、一気に集中が高まって輝きだすのだ。好きなことのためなら、大きなエネルギーが湧いてくる。いつの時代になっても変わらない循環。これに気が付きさえすれば、成り行きでも才能は伸びていく。自然と同じで成長を促すのは明るい光り。燃える希望によって照らされること。やまぐち新進アーティスト大賞展。坩堝のように高い熱量が生まれていた。
そして、その熱気を浴びたものたちは潔く前へ進みだす。いったん火がついたら倍速以上のテンポで動いていける。自信と自惚れがミックスされて、道なき道でも走り続けていった。それくらい熱いエネルギーは血を騒がせて創作を活性化させていく。1つの賞の受賞は重要なものになる。ただし、まだまだスタート地点へ立っただけ。自分の好きなことで徹底的に生きる道を選んだに過ぎない。ここから始まる創作の旅の中で本物になっていく。どこまでも創作にワクワクして美術を愛せること。つまり人生の主人公である自分の役目をやりきるのだ。目の前に現れるものは素敵なドラマの演出。さあ、すべてを活かして自分にしかできない美術家になってやろう！
■やまぐち新進アーティスト大賞10年展 2019年3月10日（日）～24日（日） 9:00-17:00（初日は10:00から、最終日は15:00まで）休館日 3月11日（月）、18日（月）、22日（金） 入場無料 クリエイティブ・スペース赤れんが 山口市中河原5-12 http://www.akarenga.justhpbs.jp/
