原井輝明展「チェレンコフの光」

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宇部市在住の美術家・原井輝明君から福岡市での個展の案内状をいただきました。

■原井輝明展「チェレンコフの光」■

会期 2009年7月27日(月)~8月9日(日)
時間 11:00~20:00(最終日のみ17:00まで)
会場 ART SPACE 貘 福岡市中央区天神3-4-14
入場無料
内容 絵画(紙に水彩&アクリル絵の具)5点予定


チェレンコフの光」と云うタイトルについて

チェレンコフの光とは、ソ連チェレンコフという科学者が発見した現象で、エネルギーの高い荷電
粒子がガラスや水のような透明の物質を通過するとき、その透明な物質を光が通過する速度よりも
速い速度で通過すると、その荷電粒子は電磁場の作用で青い光を発生し、それをチェレンコフ光
呼ぶようです。何の事かさっぱり分りませんが、今回それを展覧会名に使いました。

チェレンコフの光は普段見ることはできませんが、私達の周りには1秒間に何兆個ものニュートリノ
という素粒子が光の速さと同じくらいの速さで通り抜けており、気が遠くなるような低い確率で水の
分子と衝突することがあるそうです。その時にチェレンコフの光が見えるかもしれませんが、その
偶然が起きたことにも気がつかずに通り過ぎてしまいます。実際にはかなり弱い光なのでそれに
気付くことはありませんが、何万光年も遠いところから飛んで来たニュートリノが私達の目の前で
一瞬姿を見せるかもしれないと思うだけで興味を掻き立てられます。また、実生活の中で関係の
深い電気を作る原子力発電所の燃料の入ったプールの中で見られる「世界で一番美しい光」
と云われているチェレンコフ光は、超えてはいけない領域に人間が手を加えているようで、
危険で不気味な光として目に映ります。

今回の作品は、そんなロマンチックで危険なチェレンコフの光に思いを馳せながら制作しました。