種を蒔く

「惜しんでわずかに種を蒔く者は、わずかに刈り取ることしかできない。惜しまず豊かに種を蒔く者は、豊かに刈り取ることができる」というイエス・キリストの名言がある。

ギャラリーの使命とは何かと問われたら、創造の種を蒔くことだと答えたいと思う。なぜなら、これは何だろうという、疑問や興味の根っこがなければ、好奇心のアンテナは動き出さない。いろんな角度から物事を観察することで、これまで見えていないものを発見したり、凝り固まっていた考え方が解きほぐさて、探求の眼が活性化してくる。

つまり、創る人にも観る人にも創造力という種を蒔いて、水や肥料の代わりに適度に好奇心を与えて、アートの根を深く伸ばせる場であることを目指す。ひとつの好奇心がしっかりと根を下ろし、創造力が成長するための養分にしていく。いつも新鮮さを感じる雰囲気に心掛けて、あとは根っこが上手く伸びるように、明るく照らせる人になりたい。