草莽崛起

幕末の長州藩久坂玄瑞土佐勤王党の盟主 武市半平太へ宛てた書簡に 「つひに諸侯恃むに足らず、公卿恃むに足らず、草莽の志士を糾合、義挙の外にはとても策これ無きことと、私共同志申し合せ居り候ことに御座候。失敬ながら、尊藩も弊藩も滅亡しても大義なれば苦しからず」がある。

この書簡は「大名も公家も頼むに足らない。この上は、志を持った在野の志士が一斉に立ち上がり、欧米列強から日本を取り戻すのために行動を起こすしかない。失礼なことを言うけど、私たちの藩だって志がなければ、絶えてしまっても仕方がない」という、その揺るぎない決意を述べている。

これも「草莽崛起(そうもうくっき)」という、志を持った在野の人々こそが日本の変革を担う原動力になると松陰先生が唱えた思想に基づいて書かれた。例え無名の人たちでも高い志を持って集まれば、既存の厳しさに欠ける安易な組織より、素晴らしいパフォーマンスを発揮するとしている。今の時代にも十分通じる教え。特に若い世代に知ってもらいたい。