一子相伝

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あの日から4年の月日が経ってしまった。時はあっという間に過ぎていく。無常なもの。しかし、今もそのうちにどこかで会える感覚のまま。まだ、どこか遠くで新しい創作のために、奮闘している姿が目に浮かぶ。そう、美術家は作品が残るから永遠に魂があるのかもしれない。寂しいけれど、どこか寂しくないのは作品が存在するからだろう。

2013年12月6日早朝、訃報を知らせる電話に言葉を失う。すぐにでも懸けつけたかった。しかし、生前、山口から一人でも多くの若い美術家を育ててくれ!と背中を押され、陰になり日向になり応援していただいた。そうなのだ。その意思に報いるために、初個展の臼杵万理実さんのそばで働くことにする。ベストを尽くそう!それが最大の供養だ。そのため営業時間の前に、お別れへ行くことにした。本当に安らかの顔だった。それと同時に美術の世界で生きる過酷さを教えられる。志願兵は最前線で戦うから意味があるのだ。戦士の休息とはこういうこと。真っ直ぐに貫いた人生に手を合わせた。

昨日、ご子息の大星君の個展会場で会う。このたびの作品展のタイトル「チロでポジティブ」。チロとは3匹の子猫を生んだ母親猫のこと。大星君は彼女のたくましく生きる姿に、生命を燃やすことの意味を学び、そして、泥臭くても生き抜くことへの素晴らしさを肌で感じた。そんなチロへのリスペクト(称賛)の作品展。身近なものへ愛情を表現手段する人間的なあたたかさを表現する。それは父とは違うコンセプト(概念)を宣言するように思えた。あの日から4年。吉村さんと創作技法は同じだけれど、大星君は大星君にしかできない世界へ向かって歩き始めている。さあ、だったらそのまんま闘っていけ!天の声はしっかりと届いて、命の繋がりを感じさせられた。きっと天国から微笑んでいるはず。にんまりとする顔を思い出して熱くなった。合掌