その昔、テレビドラマ金八先生で「人は人によって支えられ、人の間で人間として磨かれていく」なんて台詞があった。これは実際の字の成立ちを言うのではない。人生をより面白くするためのツールで、日常をワクワクさせるエッセンスなのだ。ちょっとしたことを違う角度から触れるだけで、好奇心が刺激されて興味が広がっていく。頑なに本当の意味だけ知っていれば十分だと思わない方がいい。いずれ食わず嫌いに陥る可能性が高いだろう。いつも新しい発想が生まれる種にしていこう！
ところで、ただいま個展開催中の吉田朱里さんは、芸術短期大学に在学中に、故・吉村芳生さんの講義を受けていた。当時、吉村さんは長年の努力が実って隆盛を極めていた。そんなオーラにビビりながらも、美術家として生きるために授けてもらった知恵は、このうえなく大切なものばかりだった。彼女曰く「もっともっと真面目に聴いていたら良かった」と言うけど、そのことをしっかりと覚えているだけで、吉村さんは天国で笑っているはずだ。「人は人によって支えられ、人の間で人間として磨かれていく」。この言葉はやっぱり本当だ。そして、素直でなければ金言は身に付かないこともよくわかった。
