自戒

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プロの美術家と評価されるようになった人は、自分の力だけでそうなったと錯覚してはいけない。その地位は人と競い合って勝ち取ったものではなく、新しい創作が期待できる人になったと言うことだ。鑑賞者たちを作品で魅了させるために、素晴らしい創造力が備わっているのであって、そのことを忘れていい気になってしまうと、美術からそれて才能を活かせないだろう。美術家として生きられる人は、すべてを甘んじて受け入れる度量がある。決して余計なことに心を奪われることはない。自分のなすべきことを淡々とひたむきに行っていく。すなわち自分自身の価値観を信じて突き進めばいい。決して虚栄心を張って大きく見せかけてはならない。
つまり若い時代から表舞台に出たものは、謙虚な心で自戒の念を意識していこう。美術の世界をしっかりと見れば、偉大な先人の残した業績が山のようにある。ちょっとした成功くらいで天狗になる暇なんてない。自分に対する評価を上げたい、人々をあっと言わせたい、売れっ子になりたいなど、正直な気持ちであることは大切だ。それはそれでいいのだ。ある意味、若さの特権で許されること。しかし、いつまでも若いままではいられない。人生の質について考えなければ、熟した果実を収穫することはできない。美術家とは利他主義で成り立っている職業。いつも支えられていることに感謝すること。自分の創作が他の人の喜びになれるように努力しよう。みんなと幸せを分かち合って創造の輪を広がっていくもの。小さなことであっても疎かにせず、そのチャンスを活かして楽しみましょう!
臼杵万理実 作品展 ゆうちょう 2019年3月8日(金)~17日(日) 11:00-19:00