アレンジ

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美術は人の心に意外性を感じさせて楽しむ世界。しかし、そのまま奇をてらえばいいわけではない。誰もがやらないことをしても、それをやっても意味がないのなら、ただの変わり者で終わってしまう。まずは基本的なことを習熟してから、自分らしい個性を交ぜ合わせていくこと。ベーシックなものをアレンジすることで、これまでになかった切り口を見い出していく。自分ならではの特徴を生み出すために、いろいろものを片っ端からやってみらいい。上手くなっていくようなら活かして、よくならないのなら振り出しに戻せばいいのだ。創作は鑑賞者に受け入れられたものが評価される世界。自分本位にならないように、新しい感覚を求めていくことが大切だ。
だから自分は既成概念を打ち破る芸術を創作している。これほど値打ちのある作品は他の人にはできない。そんな万能感を大人になっても子供のように持っていると、独りよがりの作品になって本質から大きくかけ離れていく。いつも冷静に少し離れた場所から自分自身を見つめること。自己客観視能力を意識して育んでいくこと。これが身に付いてきたら課題がどこにあるのかわかってくる。自分のやっていることが理解できると個性を武器として使えるようになるだろう。
ところで、駆け出しのイラストレーターとして頑張っているコサカダイキ君。今のところ彼の最大の武器は制作の止め時が絶妙にいいタイミングだ。水彩画は上塗りを繰り返すことはできない。浮かんだイメージをリズムよく描いて、さっと仕上げていくことで色彩は美しくなってくる。その冷静な筆さばきに、若さより老獪さを感じなくはない。生まれ持った気質と柔軟な美的感覚がマッチして、リアルでレベルの高い表現になっている。まだまだこれからではあるけど、いつも制作したものを反省して、次にもっとよくなるように、創意工夫していく姿勢は素晴らしい。さらに飛躍することを祈る!来年の個展も楽しみにしています!