「山口で阪神に由縁の話はないですか？」
と山口版に載せる優勝記事のネタを尋ねられた。
ナ「それだったら柳井高から入団した遠井選手がいるよ」
と今年６月天国に旅立たれた山口出身の名物選手を挙げたら
「これは全社が知っていますよ」
と駄目出しされたので、その昔に孫のように可愛がってくれたTさんが言っていた
「わしが山口中学（現：山口高校）の時に御園生崇男という投手がいて、
春の選抜に出場して、大学に進学したけどやめて阪神で活躍したんじゃよ」
という話を思い出し、山口の人ですら殆ど知られていない御園生投手の話をしたら
「それはすごいネタですよ」
と喜び、家宝の球団史などの資料をI君に貸して支局に戻っていきました。
ところが、その夜に
「御園生投手を知っている人の話がないとボツになりそうなのですよ・・・」
と困惑したI君から電話がありました。
ああ～困ったな。常連だったTさんも天国におられ、
一応面識のあるTさんの知人（８０歳後半）の方にお電話しても
「昔のことだから覚えておらんよ」や
「職業野球に行った人間とは付き合わないから・・・」（時代を感じる言葉）など四面楚歌の状態です。
しかし、きっと誰かいるだろう。
長年の虎ファンの間に筋金入りになった執念深さはコネや術をフルに活用して、
ついに昭和２２年の阪神優勝に最優秀勝率投手として貢献した御園生投手が
翌年山口市であった凱旋試合を当時中学生で見に行かれた人物を探し当てることができました。
そして、９月１５日の２日後。
新聞休刊日のために１日延びてしまった新聞記事を見ながら
小さくガッツポーズをして自己満足に浸っていました。
画像の右から藤村富美男、御園生崇男、山口政信になります。
真寿さんや甚五郎さんにご質問をいただき、御園生選手の説明が不十分だと思いましたので、
追記させていただきます。
御園生崇男（みそのう たかお）
【投手】昭和１１年～１５年、１７年～２７年
通算２８５試合登板 １２７勝７０敗 ４７７奪三振 防御率２．３９
昭和８年第１０回中等野球選抜大会に山口中学で出場し、
その後、現・関西大学に進学した時に職業野球が発足同時に阪神に入団。
投手として粘り強いピッチングをして昭和１１、１２年と
戦後まもなくプロ野球が再開した昭和２２年に最高勝率のタイトルを３度獲得。
また、選手層が薄い時代だったので打撃も３割近くの高打率を残し、
実働１４年間で盗塁８７を記録と幅広く活躍。
野性味のあるタイガースの中で冷静沈着な人柄から銀行員というニックネームで親しまれた。
