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日曜日に放送された漫才頂上決戦 M‐1グランプリ。今年も日本一の漫才師を決めるにふさわしい大会となる。どのコンビも練りに練ったネタを繰り広げて、最終決戦に残った3組は甲乙つけがたい内容で、息をつく間もない話術のパフォーマンスを披露し合った。

ちなみに予選で最高得点だったのはオズワルド。奇妙で不思議なボケを随所に盛り込みながら、片時も目を離すことができない展開で、その実力を遺憾なく発揮する。また、3年連続決勝進出のインディアンスは、軽いノリで明るく元気いっぱいのボケ役と、ややポンコツ気味で痛々しいツッコミ役が、微妙に嚙み合わないトークで笑わせていった。そして、錦鯉は出だしからハイテンションで、デカイ声と無駄な動きのボケ役と、クールに頭を叩きながらひと言いうツッコミ役との、前のめりの力業で巻き込む芸風に軍配が上がり、ついに最年長コンビで王座を射止めるのであった。

私はこの結果を分けたのはハングリーさだ思う。次々に新しくセンスのいい漫才師がデビューする時代に、何が何でもチャンスを掴みたい気迫で満ちていた。それは締めのフレーズ「ライフ・イズ・ビューティフル」(人生は美しい)に象徴され、長い間の下積みもネタの1つなんだから、笑ってもらおうとする態度が清かった。そういえば、このたびやまぐち新進アーティスト大賞受賞者の佐々木範子さんも同じようにな信念がある。さまざまなことで遠回りしても一切ぶれずに作品制作を続けていた。これしかないという気持ちが評価に繋がっていく。苦節十年という言葉のとおり、熱心に取り組むことが大切なのだろう。