上を向いて歩こう

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今週、Eテレの番組 先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)のテーマは「“オリジナリティー”って何だ!? 中村八大」。昭和時代に数々のヒット曲を作った作曲家 中村八大は、テレビ草創期に個性的なタレントとの出会いのなかで、作り出す曲に磨きをかけて、オリジナリティーを追い求め続けていた。

そのきっかけは若い頃に1つの疑問が浮かんだことに始まる。クラシックとか、ジャズとか、とにかくジャンルというものに、自分はいつの間にか捉われ過ぎていないのか?クラッシックが上等で、ジャズが真ん中で、歌謡曲が下劣であるという評価があるとして(中略)、そんな差別など、とんでもないことであって、人の心に役立つものであったならば、ド演歌でもいいじゃないか。そうじゃない、音楽は自由であるはず。そうして、型や枠に捉われるものではないと思うようになっていった。

つまり、型を超えて自由になる。人と違うことをやろう、自由にやっていこう。既成のジャンルをミックスして、いろんなものを混ぜ合わせていく。オリジナリティーのある個性のある世界を目指すんだ。なんてエピソードを見ていると、なんだかというのか、やっぱり美術でも同じだとしか思えないことばかり。如何に個性を大切にしていくのか。自分自身の個性をしっかり持って、しっかりと個性を出せば出すほど、すごく良いものが出来上がっていく。そのような原点を見い出した感性は素晴らしい。「何も邪心がないというか、ヒット曲を作ろうとか、そういうのが一切ないですから、ただ楽しく作りたかった」という八大氏の言葉のように、自由な心で自由な発想で自由を活かすことの意味を学ぶ番組であった。