十年一昔

2012年10月、山口県美術展開催時期に合わせて、『臼杵万理実・佐藤文恵2人展』を企画する。当時、この二人と親しくなってから丸3年。この間、作品制作をこつこつと努力する姿を見て、成果を試す舞台をつくることにした。だけど、無謀な挑戦だと揶揄されてしまったら、まったくその通りのことなので、何も言い返せすことはできない。まだまだ未熟な彼女たちに与えたチャンスは、つぶすことになりかねないので、博打の要素が高いことは間違いなかった。
しかしそれでも、東日本大震災から1年経ち、これまでと違う明るさが欲しかった。若い人が新しいことへチャレンジして、閉塞感の漂うを打ち破ってもらいたい。限界知らずの若さを前面に押し出して、どこまでやったら面白くなるのかなんてわからないけれど、ひたすら創作することが成長に繋がることだから、結果を恐れずに体当たりすることにした。
 いつも創意工夫や試行錯誤したり、モチベーションを持ち続ける人とは、ハングリー精神の持ち主。どうしても美術家になりたい熱意が個性的を尖らせて、独自性のある作品を創り上げていく。その原点はやはり若い時。純粋に美術と向き合える黄金タイム。この企画で彼女たちが実践の中で様々なことを学び、本気になることを期待して行ったが、今現在も頑張っているから上手くいったのかもしれない。もっと上手くいったと言えるように、これからも積み重ねていくのみだ。