日常は感動に溢れている

先々週の日曜日、りおた君の結婚パーティへ参加するために、隣町まで行きは列車に乗って、帰りはこの区間を高校時代以来バスに乗った。実はずっとバスで通学する。だから懐かしいと言いたいけれど、もうここまでブランクが長ければ、目新しいことばかり。目線が高くて広い視野の窓からの景色は、見慣れているのに別格な風情を感じる。

また、夕方のせいなのかバスにはそこそこ乗客がいて、どこからともなく聞こえる声に、お休みならではのゆったりした空気があった。なんとなく旅している気分。我ながら安上がり奴だ(笑)。そんな風に思っていると、途中のバス停から小さなお子さんと若い母親が乗って来て、すぐ後ろの席に座って景色を見ながら明るく語り合っていた。

すると「太陽がよく見えない」と子が言えば、「もうすぐ陽が暮れるのよ」と母が答え、「嗚呼、今日が終わっちゃう、思い出が消えちゃう」と子がロックの歌のようなことを言えば、「それは思い出によるよ」と反射的に名答で返したことに驚かされる。これは常日頃のコミュニケーションの賜物。映画のような素敵なワンシーン!おかげさまで、下車する際に払ったバス代870円は本当に安かった。