二十歳の空

伊集院静の著書に「二十歳の空はどこにでも飛んでいける。信じるものにむかって飛び出そう。空は快晴だけじゃない。こころまで濡らす雨の日も、うつむき歩く風の日も、雪の日だってある。実はそのつらく苦しい日々が君を強くするんだ。苦境から逃げるな。自分とむき合え。強い精神を培え。そこに人間の真価はある」という名言がある。

10数年前、専門学校を卒業したばかりの二十歳の若者は、子供の頃から夢見ていた世界へ挑戦する。イラストレーターという憧れの職業を目指して、とにかく何かせねばと我武者羅に駆け回って、その甲斐あって小さなチャンスに恵まれていく。まだまだ理想には程遠いけど、少しずつやるべきことがわかって、仕事の幅を広げてたくましくなる。

いろんな苦労を知るからこそ、仕事の本質を理解できるようになり、独創的なイラスト制作に苦しむからこそ、日頃からのアイディアスケッチの準備に余念がない。こうして、いろんな紆余曲折を経て、どんどん頭角を現していった。スポーツのドラマチックなシーンがエネルギッシュに描けるのは、たくさんの下積みによって成せる業だろう。